何日か前から、クレオフ兄貴がマイホにやって来るようになっていた。

俺はそれを知らずにアイジャグのシマでウロチョロしていたら自然にアイジャグ好きのクレオフ兄貴が引き寄せられる様にシマに現れた。(俺達は共鳴し合う運命だったんだ)

最初は「げっ!?」と思ったが先日の一件で話をぶったぎって目の前をダッシュで逃げたんだ。


もう、そんな奴に関わりを持とうなんて《普通》思わないだろう。















普通の奴なら。(普通の奴なら、、ね、、。)


兄貴「、、やぁ。この間はどうも、、。」

ジャーグラを打つ俺の後ろを通り過ぎるとばかり思っていたが、こいつ話掛けて来やがった!(やはり兄貴は普通じゃない!)

あまりに自然に話掛けて来たので俺も話掛けられる用意が全く出来てなくテンパって

ガールフレンド(仮)のクロエルなんたらさんばりに、

「くおえるーーーえうおおお?!(´ρ`)」(CV:俺)

とか巻き舌で口から(言葉にならない声が)出てしまった。



俺の奇声にびっくりした顔をして兄貴は一瞬訝しげな顔をしたが、サングラスを外すと何故か俺の隣のジャーグラに座った。

ハ「、、この間はどうも、、。」

兄貴「こちらこそ。すまなかったね。一方的に持論をぶつける様な真似をしてしまって。」




とか、思ってしまったが危ない危ない。言わないでおこう。

ハ「、、まだクレオフしてます?」


兄貴「、、、。」

兄貴は、ゆっくりとYシャツのポケットに掛けたサングラスを再び掛けなおすと

「、、うん、、。多分、、これからもずっと、、。」

と言いながら隣のアイジャグを回し始めた。

ハ「、、クレオフが癖になってんですかね?」

兄貴「、、それは否定できないな、、。」

溜息を付く兄貴はチェリーが取れると人差し指をクレジットボタンにゆっくりと近付けていく。

ハ「あ~!あれ!えと、、クレオフを賭けて俺と勝負しませんか?」

クレオフはさせまいと、俺は咄嗟に思い付いた言葉を口から出してみた。

兄貴「、、勝負?」

兄貴の眼はサングラス越しに俺を見る。

ハ「簡単な勝負です。クレオフで勝率が上がるなら俺みたいな年中養分と出玉勝負しても勝てるはずですよね?勝てないのなら貴方のやっているクレオフにはなんの意味も無いと言うことを証明した事になるんじゃないですか?俺が勝ったらクレオフを止めて頂きたいんですよ。」

俺の話を聞いた兄貴は天井を見上げると深く溜息を尽き真剣な顔つきで俺を見つめ

兄貴「いいよ、、。勝負しようか、、。ルールはどうする?」

と、やる気に満ちていた。

ハ「じゃあ、閉店まで時間が無いですが、先に1000枚出るか閉店まで打ち切って出玉が多い奴が勝ち。これでどうですか?」(この時の時間は21時前くらいだと思う。)

兄貴「、、いいよ。面白そうだ、、。」

ハ「打つ台はジャグラーシリーズのみです。」

兄貴「、、もちろんだよ。」

ハ「じゃあ、俺はアイジャグ打ちますがー。隣でアイジャグ打ちます?」

兄貴「ん、、いや、この裏のミラクルジャグラーを打つよ。クレオフと相性が良いんだ、、ミラクルジャグラーは。」(なんでかは分からん)

ハ「わかりました。じゃあ閉店になる前に中央の通路に集まりましょう。」

そう言ってお互いに別れた。





















兄貴よ、、。勝負と言うのは俺が、この話を貴方に振った時から始まっているのだよ、、。

実は既に冒頭で兄貴との勝負のルールを決めて兄貴がそれを承諾した時点で俺の勝ちは確定しているのだった。



なぜなら今日は久しぶりに早めに仕事が終わったので







ル様とゴルフしてぇ

と、テスタロッサ君にメールすると

「僕もヨシテル様が大好きなのでヨシテル様のア●ル舐めたいです。」

とメールが返ってきた。(こいつはダメだ射殺しろ)

二人でマイホに意気揚々と出掛けたのだが肝心の乙女(ヨシテル)マスターズが空いていなかったのでテスタロッサ君は発狂し


CRサイボーグ009VSデビルマン(ニューギン)

なんて糞、、じゃなかった!イカしたナウでヤングな台に2万諭吉様を献上して帰って行った。

俺も帰ろうかなと思っていたが、まだ時間あるしなぁとフラフラとバラエティーコーナーのスロットに引き寄せられていたら。

ウイッチクラフトワークスなんてダクソルさんの糞台が天井付近で落ちているのを発見。

予備知識なしで打っていたら白7が揃い。

1200枚出た。

そのメダルを流してレシートを持ったままアイジャグのシマを見に行ったら3000Gくらい回ってるアイジャグが合算が118でBIG11回のREG13回という台が落ちていたので(300G以上のハマリが一度もない)

試しに1000円入れて打ってみたら

なんとなんと1回転でガコッ!(BIG)

そのまま1400枚くらいあっさり到達して、たまたま通りがかりのクリちゃんが

クリ「この席の棚は壊れてるんすよ。あんまり重いと落ちてきて危ないんで、下にドル箱置きましょうか?」

なんて聞いてきたので

ハ「ありがとう。足元に置くよ。」

と自分の足元にドル箱(1000枚入り)を置いてドル箱の上に着ていた上着を掛けておいた。

そんな状態で下皿でチマチマやってたら兄貴が現れたのだ。

兄貴は俺の足元のドル箱にまったく気付かず。しかも俺の提案する要求を全て呑んでしまった。(横でアイジャグ打ちますかぁ?と聞いたのは、出来れば離れて打ってくれ(色々と誤魔化したいから)という空気を作り出す為)

俺は開始早々に1000枚到達しているというのに、、。(しかもミラクルジャグラーのシマは今日はベタピン状態だった。)

そう、、この時点で兄貴のクレオフの力が本物でない限り俺に勝つのは不可能だったのだ、、。

後編に続く、、。