住みよい町とは…瀬戸内の港町を訪ね思う事 | 嶋村初吉のブログ

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釜山に留学、その見聞録を伝えます

小さくても輝く自治体―。かつて平成の市町村合併のとき、度々、聞いた言葉である。大きい自治体になびき、吸収合併の運命をたどる現象が全国各地で見られた。私の郷里、佐賀関町(大分県)はいまでは関アジ、関

サバで知られる漁師町であるが、元来、日本鉱業の企業城下町である。それが近年の日本鉱業の不振がたたって、町の財政は行き詰りが表面化する。ついには大分市に吸収合併される運命をたどった。このような例が、数多い。

とはいえ、この時代の風になびかず、小さいなりに特色を打ち出して、光り輝く自治体も存在した。今でも、「小さくても輝く自治体」の交流フォーラムが続いている。

 

昨日、上関町で開催された「朝鮮通信使 上関到来まつり」に参加してきたが、上関町は人口2800人規模の町ながら、和気あいあいとして住みよい町のような印象をもった。長い間、中国電力が上関を原発立地の候補地にしたことで住民の間に亀裂が走り、いま盛んに使われる分断国家ならず、分断自治体の様相を呈してきた。その傾向が長く続き、住民の間にしこりが残ったことは間違いない。

 

しかし、上関、まつりに参加して、そのような空気を感じなかった。逆に顔の見える関係、声を気軽に掛けあう関係を羨ましく思った。真の自治とは何か、住民を笑顔にする自治とは何か、ということである。これは、上から与えられるものではなく、住民自らが作り出すものであろう。

 

大雨という予報も幸い外れ、一時、日差しも注ぐ天気となり、屋外では小規模ながら朝鮮通信使行列も行われた。

 

新幹線で、博多―徳山間は1時間15分ほど。帰りの列車で、「韓国史の人物事典」を読みながら、朝鮮史のなかで、光を放つ女性を探すことに夢中になった。ドラマを通じて、歴史に名前を刻む女性は幾人も浮かぶ。そのなかでも、波乱万丈の生き方をした女性に誰がいるか。日本の女性と比較しながら、思い描いた。

 

それに没頭しながら、韓国の原書から探し出さないと、材料が乏しいことに気付いた。明後日、韓国語が堪能な女性と会うので、彼女にそれを依頼しようと考えている。ネットでざっと調べてみたが、私の知っている範囲のデータしか得られないところから、思いついたことである。共同作業をするのも、いいのではないか思っている。

この成果は、10月からの文化サークルの新講座に生かしたい。そんな夢を描いて進めている。