私が生活をしているコンドミニアム(日本ではマンション?)は、20 のスイートが入っています。ペントハウスは、4階。一階ごとに、5スイートです。1999年に、

購入しました。当時から住んでいる人は、3軒しかいません。 若い人たちの出入りがとても頻繁です。 4分の1が、借家になっています。私のフロアに住んでいる人は、誰も知りません。会ったこともありません。すぐ隣の人は、お役所に勤めていたらしくて、職業柄なのか、人を監視して、間違いを探す嫌な性格を持った人。エレベーターを使わないので、他の隣人に会うことは、ありません。 例外が一階上の80歳のおばあちゃんマーサなのです。 彼女は、神経痛、腰痛に悩まされていて、何回も転んでみるみる間に、身長が、縮んでいます。でも彼女の生きる精神は、いつもすごい。 彼女から、英気をいつももらっています。私の方が、はるかに、老婆なのです。

 時々電話があって、元気?  と聞いてくれます。 とっても社交的な方で、コンドのゴシップは、彼女が、全部知っています。 名前、職業、年齢、全て細かく。

ある時、消防訓練があり、外に出た時に、彼女曰く、みんなを知っているか? 知らないと紹介するよ。と言って、いろんな人に、私を引き合わせてました。 もちろん私には、興味のないことなのだけど。

 数年前に亡くなったご主人は、大男で、ちょっと怖い感じの人でした。 彼女自身もあまり好きじゃなかったことを平気で私に愚痴るマーサ。 息子さん、娘さんが、近くに住んでいて、定期的に彼女を訪問しているようですけれど、彼らが帰って行った後には、私に電話が入って、愚痴ります。 老人ホームに入れられそうだ!!、絶対行かない!とね。 彼らが訪問して来ても、居間に座って、みんなが、携帯で遊んでいるので、何のために来るのか? こういうことは、直接には、親子でも、言えないんですね。。。。本当に、正直に、人間がコミュニケーションをするのが、どんなに、大変なんだと思います。若い時から、好きな人に、好きだ!と言えなかったことが、どんなに悔しいことか!!  韓国ドラマのロマンスを見ていると、ほとんがそこに落ちる。好きだと言えない。。。。。なぜ?

 

 2年前に、娘さんが、日本に観光に行ったとかで、KITKAT というミニチョコレートの、わさび味を、一つ持ってきました。 日本では、絶対こんな贈り物をする人は、いないでしょうね。 でもマーサの、この小さなチョコレートは、純粋な、心のこもった贈り物なんです。包装もされてない、紙袋に入ってない、リボンもついてない、だけれど、本当に、私に食べて欲しいと思うその気持ち。たった、2x5cmだけれど、それは、大きな菓子折りよりも、嬉しいのです。  先週に、久しぶりに降った雪を、息子が、ドライブウエイを、雪かきをしたのだけど、他のコンドの人たちから、一言も感謝の言葉はありません。 コンドにある規約を、少しでも破るとすぐに飛びついてくる人たちさえも沈黙。  今朝、マーサさんが、ウオーカーを押しながら

すっかり小さくなってしまったマーサさんに驚きました。 ミニ KITKAT を、持ってきました。雪かきありがとう!って言って、ビニール袋には、近くのスターバックの、クーポンも入っていました。  すっかり弱った足腰を、居間を、歩き回りながら鍛えているそうです。 州政府から、雇われて看護師さん達が、週何回か、お風呂のお手伝い、食事のお手伝いに来るのだそうです。 ほとんどが、英語を話さない、アジア人だけど、愛情は、なし、ただただ、仕事をこなすだけ!と言ってました。悲しい。

 私は、幼いころからの、継母の精神的な虐待の結果なんだと思うのが、自分を他の人に好いてもらう自信が無い。 でも、小学校から、づっと、先生や、お友達、カナダに来ても、割と周りの人達に、好かれてきた気がする。 それが、生きていく支えになっていたのだと思う。でも、それも一方通行、、みなさん、ごめんね。自分から、友達になろうとあまり努力をしたことがない、嫌われる怖さに襲われるから。 もし恋人が、別れたいと言ったら、、、追いかけない。

 

 こういう性格で、人生を終わろうとしています。もう変わらない。。。。

マーサさんが、ウオーカーに、しがみつきながら、私のところまで来てくれたのは、

嬉しかった。 マーサさん、もう転ばないでね。。。。そして、ありがとう!