9月11日 「野分」のわき
「野分」とは、野の草木を分け入るように吹く強い風、つまり、台風のことです。
特に立春の日から数えて二百十日こら二百二十日に吹く強い風のことをさしたようです。
この日は、台風が来る確率の高い日として、江戸時代から暦にも記されています。
ところで、「台風」という言葉。日本語のように見えますが、実は英語のtyphoonに漢字を当てたものです。
気象観測技術が進歩して、予測はできるようになりましたが、それでも、台風は毎年、大きな被害をもたらしています。
荒れ狂う自然の猛威を前にするたび、人々は叩きのめされ、それでもまた、乗り越えていく…。そんな営みを繰り返してきたのですね。
山下景子著「美人の日本語」より