8月10日「真帆片帆」まほかたほ
真帆は、順風の時、帆をいっぱいに張り、追い風で走ること。
片帆は、横風の時、帆を一方に片寄らせて走ること。
そして真帆片帆は、それらを操作しながら帆走している様子です。
〜涼しさや 淡路をめぐる 真帆片帆〜 (正岡子規)
かつての日本の海では、こんな風景がいつでも見られたのでしょう。
人生も順風の時ばかりではありません。
逆風の時、風向きの悪い時は、まともに受けず、
帆を半分にして受け流していくこともひとつの知恵ですね。
たとえば、心の中で「真帆片帆、真帆片帆」と繰り返しながら…。
語感のいい美しい響きが心の中に広がって、すぐに追い風が吹いてくるような気がしてきませんか。
「美人の日本語」山下景子著 より抜粋