8月6日「天泣」てんきゅう
天が泣く…。一瞬はっとしますが、雲がないのに降る雨のことです。
これには、天気雨のほかに、遠くに流れていった雲から雨がじょうはつしながら降る現象も含まれるそうです。
天気雨は、日照雨(ひでりあめ)、狐の嫁入りともいいますね。
もともと、狐の嫁入りとは、狐火が連なって見えることをいったそうです。
狐火とは、別名、鬼火、火の玉のことです。
夜、墓地や遠くの山などで連なって見える狐火は、
まるで提灯を持った狐が嫁入りのために行列して行くように見えたのでしょう。
やがて、天気雨の不思議さ、異様さを、人々同じ狐の嫁入りという言葉で表すようになりました。
おろかな人間たちを見ていて、点が嘆くことも多いでしょう。
でも、晴れ渡ったお天気の日の雨は、きっと、うれし泣きですね。
「美人の日本語」山下景子著 より抜粋