宝塚に入団して一番苦労した事と言えば、歌 ‼️

そもそも受験まで、譜面を見てドレミで歌う?何⁇全くわからないよー?

音楽学校の授業も、歌と聞くだけでじんましん!

何から手を付けていいのやら、さっぱりわからない。皆んなはサラッと歌っているのに、どう稽古したらいいのかわからない。

その時私は、「まあ、舞台で私が歌を歌う機会はきっと来ないか!」🎼

入団して数年、コーラスメンバーにも選ばれることもなく、3年目の劇団試験!
考えて考えて、よし!枯葉をフランス語で歌ってみよう!
しかしそんなに甘くない。
結果通知面接にはバスタオル持って来いよと言われ、案の定、コテンパに歌を指摘され大泣き!
最後に、「5年目の劇団試験までに歌を頑張ってみないか?」と言われて部屋を退出。

よし!やってみよう! 
故・寺田瀧雄先生にレッスンをお願いしてみた。
先生はレッスンの後、「ガイチは誰の歌が上手いと思う?」。
えっ?下手な私が、誰とかわかりません!皆んな上手い!

「僕はこう思う。汀には汀ぶし。麻美には麻美ぶし。ガイチはガイチぶしを作ればいいんだよ❣️」

なるほど!しかしどうすれば❓

「2枚目の音はこれ!🎹この音をまず克服する。そして、この音は、カナメさんと一路しかまだ出せない。君がチャレンジしてみてはどうかなぁ!」。

やります‼️やってみせます‼️

「ガイチは人と会話できるでしよ!
歌を歌おうとした途端に構えるんだから、語ればいいんだよ。話せるんだから、語りなさい。
君にはシャンソンがあってるよ!」

敷居が高い‼️

 しかし、歌わずに語る歌。伝える歌。
ひたすらに勉強を続けた結果、故・小原弘稔先生のスパルタカスの新公でひょんなことから歌を歌うチャンスを頂く事になる。
ヒェ〜大事件だ!
「おまはんな、これから先きっと舞台で歌う事はないだろうさかいに、プレゼントしてやるさかい、楽しんで歌いなはれ!」

はい❣️楽しみます❣️

一か八かの勝負!
楽しんで歌った時から運命は変わる!
試験の成績が一気に上がった!
音域も突然声が出始める!
コーラスメンバーにも選ばれる様になる!
そしてついに!
たけくらべの正太郎、ブラックジャック…
次々歌うことになる!
初めてのディナーショー ベルデでは、シャンソンばかり!

あの日、寺田瀧雄先生の一言で私の運命は大きく変わった。
シャンソン、語る様に歌う!
言葉を大切にして!
剣幸さんの 誰もいない海…
語る歌に、涙が溢れました。
なんて素敵なシャンソン!
ウタコさんの歩まれた人生が、この響きを生むんだなあって感じました。
苦労したけど、越路吹雪さんのお命日にシャンソンを歌う機会へ繋がっている。
30年前の私には考えられない奇跡だ!


まだまだ続く、数時間前に!