人工知能やニューラルネットワークは、脳の知能を解明するには不十分だといい、新皮質の構造とアルゴリズムに注目しています。
脳は記憶をもとに予測をしていて、それが脳の主要な機能だというのが本書の論点になっています。
脳は何も見ないし聴かないし感じない。ただ、パターンを認識しているだけ。新皮質の記憶は、シーケンス的で、自己連想的で、普遍的な形をもっている。行動よりも予測の能力が脳の知能を現している。そういった推論を立てています。
その後、具体的に新皮質がどのような働きをしているかを詳細に議論します。推測や例え話ばかりですが、イメージしやすい感じで書かれてますし、だいぶ分かりやすいです。
最後に、今後知能を備えた機械は誕生するのか、どのような機械ができるのかに触れます。
音声認識とか画像認識とか、今じゃ実際にAIで実現されていることを2002年に予測しています。今から見るとそんなに珍しいことは言ってないように思えますが、それだけ人工知能の技術が世の中に溢れてきているということですね。
人間の脳とコンピューターでは、得手不得手があります。人間の脳を真似た機械ではなく、コンピューターが得意とする分野に特化した機械を作っていくべきというのはその通りか気がします。