side N

 

 

 

 

 

 

 

モゾモゾ。

 

 

 

ムニ。

 

 

 

『…、…?、、…っ!』

 

 

 

ガバッ!

 

 

 

「、ん、」

 

 

 

ギュッ。

 

 

 

『っ///』

 

 

 

目を覚ましたら、そこは天国。

 

 


頭を上げた私は、強制的に

ゆうちゃんの腕の中へ戻る。


 

 

夢じゃなかったとホッとして、

 

こんな現実があるんだと、満たされる。

 

 

 

昨夜、私の人生は変わった。

 

本来歩むべきところに、軌道修正された。

 

そんな、感じ。

 

 

 

ゆうちゃんが

 

私をずっと特別に想っていてくれたことは、

 

私にとって奇跡的な真実で。

 

 

 

その奇跡が起きたのは、

 

私ではなく、

 

ゆうちゃんの行いの良さのおかげだと思う。

 

 

 

 

 

「、ん、なぁちゃ?」

 

 

 

『おはよ?』

 

 

 

「、ん、まだ寝よう、」

 

 

 

寝ぼけているのか、

私を抱き締める力を強めるゆうちゃん。

 

 

 

ただただ幸せな時間。

 

 

 

私は仕事休みだし、全然構わないのだけど…

 

 

 

『ねぇ、ゆうちゃん』

 

 

 

「んー?」

 

 

 

『、服、着ていい?』

 

 

 

「、だめ」

 

 

 

ゆうちゃんはパジャマ。

 

 

私は、裸。

 

 

とても、恥ずかしい、のですが…。

 

 

 

『じゃあ、ゆうちゃんも、脱ぐ?』

 

 

 

「やだ 笑」

 

 

 

昨日からよく聞く"嫌"すら、

今の私には甘く聞こえてくる。

 

 

 

"なぁちゃんを全部、ちょうだい"

 

 

 

その言葉どおり、

私の何もかもを欲しがったゆうちゃん。

 

 

 

もちろん、全て渡してしまえるわけだが。

 

 

 

(ちょっと、いや、かなり意外、だよね?)

 

 

 

ほら、どちらかと言うと?

 

私が攻め、ゆうちゃんが受け?的な、それ。

 

 

 

予想とは裏腹に、

スッカリ綺麗に、ゆうちゃんに抱かれた私。

 

 

 

初めてだと言いながら、

私をことごとく溶かして。

 

 

私の初めてを受け取って、

幸せそうに微笑んだゆうちゃん。

 

 

 

それに

人生最大の喜びと満たされる体を感じた自分にも

少しだけ、驚いている。

 

 

 

さわ、

 

 

 

『ひゃっ』

 

 

 

「むぅー、何考えてるの?」

 

 

 

私の腰を撫でて、口を尖らす彼女。

 

 

 

友人として過ごした頃よりも、

 

知人として再会した昨日よりも、

 

甘い甘い雰囲気のゆうちゃんは、

 

私への愛が溢れてやまない様子。

 

 

 

『ゆうちゃんのこと、考えてた』

 

 

 

「ふふ、なら許してあげる」

 

 

 

私だけが知ってるゆうちゃんが増えて、

私は今とてつもなく幸せである。

 

 

 

『ねぇ、ゆうちゃん』

 

 

 

「なぁにー」

 

 

 

『今日も仕事??』

 

 

 

「今日は、休みだけど

 明日は仕事だよ」

 

 

 

『そっか、』

 

 

 

「仕事、心配?」

 

 

 

ゆうちゃんはむくっと上半身を起こし

腕枕でコチラを見る。

 

 

 

『ううん』

 

 

 

初めての恋人が"私"という夜職の彼女と、

 

続かない恋愛を繰り返してた昼職の私。

 

 

 

どちらかといえば、信用がないのは私の方。



 

「私は、心配だけど、ねー」



 

そうなるのは、致し方ないよね 苦笑

 

 

 

『浮気なんてしないよ??』

 

 

 

「したら、口聞かない」

 

 

 

『え、それだけ?』

 

 

 

「それでも、多分好きだもん。

 離れられないよ、もう…」

 

 

 

『絶対!しない!

 絶対離れない!ゆうちゃんだけだから!』

 

 

 

「ん。ありがと」

 

 

 

『あ、ゆうちゃんが仕事の日でもさ、』

 

 

 

「ん?」

 

 

 

『たまに、ここで寝てもいい?』

 

 

 

「ふふ、いつでも来ていいよ?」

 

 

 

『ゆうちゃんも、

 会いたくなったらすぐ言ってね?』

 

 

 

「ずっと会いたいんだけど、」

 

 

 

『それはっ私だって!』

 

 

 

「一緒だね?笑

 

 んーでも、お酒は少し控えようかな?」

 

 

 

『うん?』

 

 

 

「お酒入ると我慢できないって分かったから」

 

 

 

『っ/// 』

 

 

 

ニコニコと無邪気に笑うゆうちゃんに、

ドキドキしっぱなし。

 

 

 

「なぁちゃんは、明日もお休みだよね?」

 

 

 

『う、うん』

 

 

 

「予定は?」

 

 

 

『何もないよ?』

 

 

 

「じゃ、ランチして、着替え取りに行く?」

 

 

 

『うんっ!

 あ、でも、きつくない??』

 

 

 

「へーき!よーし、じゃあ、起きよう」

 

 

 

起き上がって、

んーと、伸びるゆうちゃん。

 

 

 

温もりが消えて、急に寂しい。

 

 

 

ギュッとその背中に抱きつくと

お腹に回した手をポンポンと撫でてくれる。

 

 

 

「ねぇ、なぁちゃん」

 

 

 

『なぁに、ゆうちゃん』

 

 

 

「夢、じゃなくて良かった」

 

 

 

ポツリと溢されるゆうちゃんの本音。

 

 

 

その表情は分からない。

 

 

 

ギュウ。




『ゆうちゃん、愛してるよ』




「うん。私も」




これから何度だって伝えていく、


嘘じゃない、夢じゃない、ということ。




本当は順番なんて付けられないくらい、


ゆうちゃんが私の全てだと。




「ふふ、幸せ」




『私も、幸せ』




「ねぇ、」




クルリと顔をこちらに向けるゆうちゃん。




『ん?』




ドサッ




『へ?』




「やっぱり、」




『どうしたの?』




「お酒飲まなくても我慢できないかも」




微笑んで、顔を近づけてくるゆうちゃんに、

ドキドキは更に高まる。




それはそれは、愛しい高鳴り。




『我慢しないでいいよ?』




私は本心を口に出して、彼女を迎え入れた。























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