『グスッ…グスッ』


「なぁちゃん、もう泣かないで?」



そう言いながら、

抱き締めたまま

ぽんぽんと背中を叩いてくれるゆうちゃん。



まさかの勘違いで

ゆうちゃんは結婚もしない上、

まだ私を好きだと言ってくれた。





『ゆうちゃん、

 ごめんね、酷いことして…』



かと言って、彼女の意思を無視して、

してしまったことに、

どんなに謝っても足りないくらいの

後悔を感じていた私は、

色々な感情がごちゃ混ぜで。



嬉しいやら、

申し訳ないやら、

涙は止まることを知らないように

ただひたすらに雫を落とした。




「なぁちゃんは、

 私じゃなくても、同じことしたの?」


『絶対ない!

 ゆうちゃんじゃないと、しません!』


「じゃあ、もう謝らないで?」



ゆうちゃんは微笑んで、

ヨシヨシと頭を撫でてくれた。




「なぁちゃん、お水飲もうか?」


『グスッ…うん。』



アルコールと涙で、

身体中の水分が枯渇しかけている私は

用意してもらったお水を飲んで、

ようやく落ち着く。




『ゆうちゃん』


「ん?なぁに?」


『来てくれて、ありがとう』


「ふふっどういたしまして」




ゆうちゃんは、ニコッと笑うと、

立ち上がって、

私の手を引いて、立たせると、

まだふらついている私をベッドに座らせた。




「ねぇ、お風呂借りていい?」



『え?うん、いいよ?』



「…泊まっても、いい?」



『、うん、はい。』



もう大分酔いも醒めているからか、

何だか、

少しおどおどとしてしまう。


アルコールの効果はもう勢いを無くしていた。




「なぁちゃん。」


『うん?』



少し顔を赤らめた彼女は

ぎゅっと私を抱きしめて、

耳元で小さく囁く。



「もう、眠い?」



『ううん』



「私、前に戻りたいわけじゃないよ?」



『え?』



「その、ね、

 これからは、

 我慢しなくていいから…」



『え?それ、は…』



「でも、初めて、だから、

 なんていうか、

 お風呂上がるまで、その、

 待っててね?」



『!

 /// うん。』




ドクンッと心臓が激しく脈打った。


耳まで真っ赤にして

お風呂へ行った彼女に、

興奮を取り戻した私。





『心臓、飛び出そう…』




ボフッとベッドに横になると、

再び身体に、心に、

火が点火されたのを感じていた。