空港に到着して、

久々に日本の風を感じると

やっぱりホッとした気持ちになる。


一息つくと

共通の友人であるおんちゃんに連絡を入れた。



お「もしもし?!なぁちゃん?!

  どうしたの?なんかあった?」


『久しぶり、おんちゃん。

 今帰国したんだ。』


お「え?うそ?

  帰国したの?

  え?ホントに?」


『うん、ホント。

 今空港なんだ。』


お「え、おかえり?

  というか、

  なんでゆうちゃんに連絡してあげないの?

  ゆうちゃん、本当に心配してて…」


『ただいま。

 驚かせたいから、さ。

 ひとまずおんちゃん家いっていい?』


お「わ、分かった!

  気を付けて来てね。」



おんちゃんとの電話を終えると、

私はおんちゃんともぎさんの家に

向かった。



ピンポーン♪


お「はいはーい!あ、おかえりー」


も「なぁちゃん!もう!

  どういうこと!?

  大変だったんだからね!

  あ、とりあえず、おかえり!」


『ごめんなさい、もぎさん 笑

 ただいまです。』


お「ゆうちゃん、毎日来てるから、

  いつも通りだと

  もう少しで来ると思うよ?」


も「ねぇ、なぁちゃん、

  何か考えてるのかも、だけど!

  やることが極端すぎる!!

  ちゃんと向き合って話してよ?

  私達は見守ることしかできないんだよ?」


『…はい、分かってます』



もぎさんとおんちゃんは、

きっと色々と分かった上で

優しく迎え入れてくれた。



私の予想の一つでは、

この研修中、

2人に多大な迷惑をかけているだろうと

思っていたが、

予想通りだったようだ。



お詫びとばかりに、

沢山のお土産を渡して、

向こうでの出来事を話していると、

しばらくして、

もぎさんの携帯が鳴る。



も「もしもし?

  あ、うん、それ、私の幼馴染。

  え?どこ?

  あーわざわざありがと、じゃ。」


お「どうかした?」


も「ゆうちゃん、駅前のファミレスで

  男といるって…

  たまたま私の友達が見かけたらしいけど、

  雰囲気がおかしいからって連絡くれた」



私はそれを聞いた瞬間、

ザッと血の気が引いた。


立ち上がると、

急いでそこに向かおうとする。



も「なぁちゃん!ちょっと!

  車出すから!待って!」



もぎさんの運転する車の中、

葛藤が駆け巡る。



やっぱり、変わってしまったのか

他に好きな人ができたのか、

いや、もしかしたら、

変なやつに何かされるんじゃ、

色んなことを考えていた。



も「なぁちゃん、状況が分からないから、

  冷静に、ね。」


『うん、分かってる』


ミラー越しにもぎさんの視線を感じる。


自分でも分かっている、

珍しく衝動的に怒っていると。


でも、それが誰に対して、なのかは

まだ分からない。




もうすぐ目的地

そんな時、信号に捕まった。


それが、待ちきれず

私はバッと車を降りると、

ゆうちゃんのところへ目がけ走り出した。