恩人 13 | ☆★神戸の下町 湊川★☆ サンドリオン グループCendrillon group代表 波戸岡 正章 公式ブログ

恩人 13

残り10分が本当に長く感じた。
こんなに長い10分間は人生で初めてだったし、これからはもう無いだろう。

最後の最後に厳しすぎる試練が待ち受けていた。
J1に上がる資格があるか無いか。
それを確かめるかのような最終関門。


疑惑のゴールとまで言われたシーン。


後半ロスタイム。

ロングボールから神戸ディフェンダーのクリアミス。
次々に襲いかかる福岡の攻撃陣。


ペナルティエリア内上空にクリアボールが入り、最大のピンチ。

GK荻がハイボールの処理をするが、競り合いギリギリで触る。

マイナスに入ったボールはゴールライン上へ。

ライン上に残っていたDF北本が胸でクリアし、GK荻が最後の力を振り絞りライン上のボールを気持ちだけで掻き出した。

しかし、まだピンチは続く。

掻き出したボールのクリアが小さく、それを福岡攻撃陣が執念で襲い掛かる。

ボレーシュートをDF柳川が顔を蹴られながらも頭でクリア。

背後では荻も体勢を整え反応。
ゴールをアピールする福岡の攻撃陣。
まだピンチは続く。

柳川のクリアに飛び込む福岡の攻撃陣より三浦淳宏が僅かに早くボールに反応し、少しだがゴールからボールを遠ざけた。
そして田中英がトドメのクリアになんとか成功。

与えてはいけない失点を全員で体を投げ出して守りきった。

分厚い壁のようなものが見えた。

これがバクスターの絆サッカーだ。

命を張ってゴールを守る執念と覚悟。



そして結実の時は来た。
試合終了のホイッスル。
入れ替え戦
2分けで昇格を決めた。
結局、ラスト7試合で勝利は無し。
しかし、見事に昇格を決めたのだ。

ゴール裏へ走り出す選手たち。間違いなく、ファン全員が泣いた。

感動した。

J1でプレーする事がどれだけ大変な事か。
その有り難みを感じた。

バクスターの命懸けの仕事の結果がついに出た。

私も正直言って、頭抱えて泣いた。


どうしても手に入れたかったものが、ついに。
こんなに苦しいものなのか。

球団は地域の財産。
やっと彼の言っている意味が分かった。

J1という当たり前が、こんなに辛いものとは。
技術云々より、完全に気持ちだけで戦っていた。
お互いを信じ、尊敬しあう。

それをプレーから感じれて、とても嬉しかった。ロッカーに引き返した後、記念撮影の際にイングランドのレプリカとスペイン国旗を手に持った。

選手は一緒に戦っていると信じていた。

それにしても素晴らしい師弟関係に恵まれた集団だ。

今までのヴィッセルに無い財産を手に入れた。

神戸を2度も昇格させた名将スチュワート・バクスター。
色んな事を考えさせられた。
色んな感動を神戸の人達に与えた。

本当に感謝している。




14へ続く。
サンドリオン グループCendrillon group 代表          波戸岡 正章  公式ブログ-9d7950d5.jpg