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製作　１９６２年　大映　（９６分）　監督　三隅研次　原作　子母澤寛　脚本　犬塚稔

出演　勝新太郎　天地茂　万里昌代　柳永二郎　南道郎

「座頭市（勝新太郎）は目が見えません。杖を頼りに街道を渡り歩き、宿場で客の肩や身体を揉む按摩師です。極道（やくざ）を生業にしています。杖には刀が仕込まれていて、いざと言う時には瞬時に逆手で抜きます。４．５人までなら瞬時に斬り倒します。太刀捌きの素早さはまさに目にも止まらない早業で、気配を感じて斬るのです。そして集団を相手にして斬るのです」

（物語）タイトルバックで、桜の満開の木の下で座頭市（勝新太郎）は花見客の肩を揉みます。宿場の地面を杖で叩きながら、按摩の笛を吹き鳴らします。水路にかかった狭い橋を踏み外しそうになり、今度は気をつけて四つん這いになって橋を渡ります。　

　米俵が１１俵積まれた荷車の荷台に座頭市が乗っています。飯岡の助五郎（柳永二郎）の一家の前で荷車は止まります。「どうもありがとうございやした。お陰で助かりやした。どうもすみませんでした」と座頭市は車引きにお礼を言います。

　座頭市は飯岡の助五郎一家の入口の垂れをくぐります。「おいおいおい、何でえ、おめえは？」と中へ入った座頭市が子分に呼び止められます。助五郎に呼ばれてきたのですが、生憎、助五郎は留守でした。子分が目が不自由な座頭市が何でヤクザ稼業の親分を訪ねてきたのか不思議に思いますが、優しく手を引いて奥へ連れていきます。子分１５人程が別棟でサイコロ賭博に興じています。その横で待つように言われます。

　梅が咲いているのが匂いでわかります。「それにしても、何て臭いんだろう！」と市が言うと、「くせえ！くせえ、とは何がだよ！」と言うので、市は「汗と垢の腐ったような匂いがするんで」「臭きゃ、鼻つまんでりゃいいんだ」と子分衆は怒ります。。

　市は一人の子分の肩を叩いて、「その胴、わたしにとらせていただけませんか？」と頼みます。懐からジャラジャラと金の音がする布財布を見せます。「おめえ、壺が振れるのかい？」「あっしもやくざの端くれです」と答えます。その場の子分衆はやらせます。

　市はみんなの前に出て、壺にサイコロを２個投げ入れて、「目が不自由ですから、手際の悪い所は勘弁して下さいよ」と言って、掛け声とともに壺を畳におきます。するとサイコロが２個、壺の外に出ていたサイの目が見えます。「こいつはたいしたやくざだ。おい、みんな来い！」と兄貴分が声をみんなにかけます。出た目は「５・１（ごいち）の丁」。みんなは笑いをこらえて「丁」とはります。市は「半はないんですか？」と何度も聞きます。「しめて１３２５文」が場にはられました。市が「景気よくはりましたね」と言ってから、壺を持ち上げます。壺の中は空です。子分が「５・１の丁」と言います。市は「丁？！」と残念がります。布袋から金を畳に広げると、子分たちが取り分を取ります。市は「あのね、駒はまだありますよ」と懐から更に紙に包まれたお金を見せます。それは小判の包みでした。子分衆みんながどよめきます。

　市は２度目の壺を振って畳に置きます。壺の外にサイコロが２個飛び出ます。「４・１（よいち）の半」です。「さあ、はっておくんなさい」との市の言葉に、「よし、思い切りはるぜ。半だ！」と言う声を先頭に、我先にと１回目より多額をはります。「今度はみなさん、半ですか？」「そうよ！」と、楽しそうに子分衆は笑顔を交換します。「じゃあ、いいですか、丁はありませんね」と念を押してから、「じゃあ、いきますよ」と言って、外へ飛び出していたサイコロ２個を掴みます。「そそっかしい。懐から飛び出しやがった」と言って、袖に入れます。子分たちはびっくりです。文句を言う間もなく、壺を持ちあげるとサイコロが2個あり「丁」です。文句は言えません。「丁ですね。へ、丁―――あはは、ありがとうございやした」と、市はお金をかき集めます。「待ちな。ちょっとおかしい」「おめえの懐に入れた財布はどうしたんだい？」「それは、ここにありやすよ」と市は答えます。「野郎、いかさましやがったな」「壺をはみ出して、見えてたサイコロは何なんだい？」と、子分たちは殺気立ちます。市は居直ります。「じゃあ、おめえさんたちは、壺の外に出たサイコロにはったのかい？」「この野郎！」と一人が市につかみかかります。市は「何しやがるんでえ！」と子分たちをいなします。子分たちは市の力と理屈と雰囲気に手出しできなくなります。誰も逆らえなくなります。「おめえたちは外に出たサイの目に駒をはったのかい？そんな、馬鹿な博打があるわけねえ！丁半博打ってのはなア、壺の中のサイの目に駒をはるんだ」それに対して掴みかかろうとする奴もいますが、押しのけて「飯岡ってのは、てめえ達みてえな腐ったやくざしかいねえのか？臭いはずだ。親分さんの気も知れたよ。もう会う気もしねえや、馬鹿馬鹿しい！」

　市がその家の入口から出ようとすると、丁度飯岡の助五郎が帰って来て、市と出会います。「市さんじゃねえか」と大声を笑顔でかけます。市も帰れなくなりました。助五郎は市の凄さ、剣捌きを知っているので大事にもてなします。笹川の繁蔵との喧嘩に市が役に立つと思っているのです。親分の市への態度を見て、もう誰も何も言えません。助五郎は昔、市の剣捌きを見て、近くへ来たら寄ってくれと言ってあったので、市が来たのでした。

ブログ掲載作品放送予定（放送日時、チャンネル名は必ずご自分でお確かめ下さい）
(放送予定が訪れない見たい映画はU-NEXT、prime video等のご活用をお勧めします）
放送日	曜	時間	タイトル	放送チャンネル	ブログ掲載日
6月13日	木	13:00	暴力脱獄	NHKBS	24.6.10
6月15日	土	19:00	コン・エアー	BS12	24..6.11
6月17日	月	13:00	マネ―ボール	NHKBS	23.6.19
6月18日	火	20:00	座頭市物語	BS12	24.6.13
6月20日	木	13:00	ミッドナイトラン	NHKBS	21.8.1
6月24日	月	13:00	E.T.	NHKBS	21.2.22
6月25日	火	13:00	カサブランカ	NHKBS	23.9.26

「座頭市物語（再掲載）」２４年６月１８日（火）２０：００～BS12（無料）