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武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新 - Wikipedia

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製作 2010年 日本 松竹 アスミック・エース 監督 森田芳光 原作 柏田道夫

出演 堺雅人 仲間由紀恵 伊藤祐輝 松坂慶子 草笛光子 中村雅俊

「藩は会社、殿様は社長、以下役職順に並べると、現代の会社組織と同じと思えます。猪山直之(堺雅人)は加賀藩御算用者(会計の役人)です。会社で言えば、経理部です。加賀藩にはこの役目をする武士が150名もいました。藩は大企業です。その藩から家禄100石(給料)を貰って生活していましたが、直之の時に、功績が認められて180石に家禄が増えました。彼はある時、帳簿をつけていてどうしてもおかしいので、そこから上役の不正を発見してしまいます。現代でさえ上役の不正を告発するのは並大抵ではありません。猪山はまだ下級武士でしたし、上役が不正をやっていてももみ消されてしまいます。ですが、彼はその不正を書類に書き残していました。御目付役(監査役)がその書類を見れば、彼がどんな仕事をしていたか、すぐにわかるのでした」

 

(物語)「この物語は会計係として加賀藩に仕えた猪山直之(堺雅人)によって残された日記、手紙、家計簿をもとに再構成した家族の物語である」 

 明治10年、東京府海軍省主計室で昔の算盤がはじかれています。上に2玉、下に5玉の算盤です。玉をはじいて数字を入れていく軽快な音が聞こえてきます。海軍主計大監の猪山成之(伊藤祐輝)が書類のチェックをしています。彼は加賀藩御算用者の猪山直之の息子です。「250年余り続いた徳川の時代は終わり、明治になった。父と私が仕えた加賀藩もなくなり、侍の世は終わっていた」とのナレーションが入り、そこに海軍省の会計係が入ってきて、猪山大監自ら算盤をはじいているので、少しびっくりします。猪山は係に「海軍主計大監自らが算盤をはじく。私の仕事なのだ」と言うと、係は「は、仕事です」と硬直して言います。猪山は続けます。「3か所訂正がある。軍艦の手配に追われているのもわかるがな、九州も雪になるやも知れぬ。戦が長引けば、軍貨が足りなくなる」とチェックした帳簿を渡します。係が部屋を出た後で、成之が父・直之から届いた手紙を読みます。父は先月の金沢の猪山家の入り払いを報告してきたのですが、ミスがないか見てくれと言うのです。成之は父をよく知っていますので、ミスなどあるはずがありません。しかし、直之はこのように勤勉実直な正直な働き者で、もう相当な年齢になるのに変わっていません。成之は父を加賀一番、いや、日本一の「算盤侍」と思っていました。

 天保年間の金沢です。金沢城御算用場はかなり広く50畳以上あり、正面に上役の袖机が据えられ、場内は前と後ろに分かれています。前には一人一台の袖机が横に4列、楯に4台、合計16人分の袖机があります。その後ろは二人一台の袖机が横に3列、楯に4台、合計24人が仕事をします。ですから、この場には40人が勤めています。直之はまだ見習いで、直之の父、信之(中村雅俊)が御算用者でした。

 直之の家は父と母・常(松坂慶子)と祖母(草笛光子)と嫁いだ妹の5人家族でした。伸之が加賀藩の江戸屋敷に勤めている時の自慢話を朝食の折に始めました。加賀藩の姫が嫁ぐことになり、その姫を江戸屋敷にお迎えするにあたり、江戸屋敷の門を赤く塗り直さなくてはなりませんでした。しかし、江戸屋敷にはお金が潤沢にはありませんでした。それで、父の信之は「花嫁が輿に乗って門をくぐって、後を振り返るのは縁起が悪い」ということで、振り返らないのなら、門は表だけ赤く塗り替えれば良いと知恵を出したのでした。門の表だけを赤くし、全部を塗り替えないで倹約したのでした。江戸時代の武家もお金には苦労し、お金がない場合はこのように節約してお金を使わない工夫をするしかありませんでした。

 見習いの時から「算盤馬鹿」といわれる位直之はよく働きました。計算のミスを発見し、そのままにしておけない真直ぐな性格で、不正をやっていた上司には困った存在でした。上司の合田(ヨシダ朝)に直之は帳面に記された数字がおかしいことを発見し、「これが違うということは、年貢の元帳を確かめる必要があるのではないかと思います」と伝えます。合田は「細かいことによく気がつくのう」くらいで取り合いません。直之は給与をもらうと、父母に「今日お給金を頂きました」と礼儀正しく渡すのでした。

 父の信之が同僚から直之の見合いの話を貰ってきます。それを直之に伝えます。相手は町同心であり、直之の通っている剣術の道場の師範代である西永氏(西村雅彦)の娘・駒(仲間由紀恵)でした。駒にも、父から直之との見合いの話は耳に入りました。

 直之の見つけた帳簿のミスについてです。当時は飢饉が続き、そのしわ寄せは米作り農家に一番過酷でした。直之はお蔵米の勘定役になっていて、農民の騒ぎに巻き込まれます。腹を空かせた農民に「お救い米」といって「炊き出し」が行われました。城からは200俵が出ましたが、実際には150俵分も出ていませんでした。米は3割も途中で抜き取られ、農民に与えられたのは残りの7割を使った「炊き出し」です。ですから、水が多く米は少なかったのです。それを調べて、炊き出しの役人に文句を言う農民もいました。その文句を言う現場に直之は居合わせてしまいました。それでも、帳簿は「苦しんでいる農民に与える蔵から出した米」と、「実際に農民に与えた米」の量は一致していないといけません。帳簿の改ざんが行われていたのです。その帳簿の誤りを直之は発見したのでした。

 直之は実際に畑へ出向き、実際に収穫された米の量、蔵に入った米の量、御救い米として出された米の量、炊き出しに使われた米の量を調べて、どうしても帳簿がおかしいと上司に訴えます。その田畑を調べに出ている直之を、駒は生地の水通しを川でしている時に見かけます。そして直之が昼食のおにぎりをほおばる時にお茶を出してあげます。その後で、一緒に水通しをしている女性から「あの方が算用者の猪山様です」と聞くのでした。

 

ブログ掲載作品放送予定(放送日時、チャンネル名は必ず自分でお確かめ下さい)
放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日(予定含む)
4月29日 18:30  ひとよ   BSテレ東  24.4.24
4月29日 9:00 ダーティハリー ムービープラス 24.4.26
5月2日  木  13:40  武士の家計簿  12チャ 24.4.29
5月5日 6:00  ミッドナイトスワン  日本映画 23.8.9
5月5日 8:20  ドライブ・マイ・カー  日本映画 22.7.27
5月5日 12:00  グリーンブック  BS松竹東急 24.5.1
5月6日 17:00  容疑者Xの献身  日本映画 24.5.3