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たそがれ清兵衛 - Wikipedia

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製作 2002年 松竹 (129分)監督 山田洋次 原作 藤沢周平

出演 真田広之 宮沢りえ 田中泯 小林稔侍 岸恵子 丹波哲郎

「たそがれ清兵衛は貧しい暮らしの東北、庄内地方、海坂藩の武士です。幼い娘二人と記憶力の衰えた祖母を残して、妻に先立たれました。藩の仕事を一途にこなし、欲はありません。娘たちの成長を見ることが楽しみでした。しかし、小太刀をとらせては右に出る者がいない剣の使い手です。その剣を使わねばならない時がやってきます。時は幕末、江戸幕府が揺れ動いている時でした」

第26回日本アカデミー賞で最優秀作品賞ほか多くの部門で最優秀賞受賞

 

(物語)井口清兵衛(真田広之)の娘・以登が語ります。「長患いの果てに母が亡くなったのは、私が5歳の時でした。母の病は労咳でしたので、物心ついた頃から側に行くことを禁じられていました。だから、母の思い出はあまりありません。」亡くなった母の顔には白い布がかけられ、たくさんの人が狭いみすぼらしい家に弔いにきていました。その後、東北・庄内地方の曇り空の下、うっすらと雪の残った道を葬儀の列が進みます。「私の郷里は現在の山形県庄内郡海坂町、当時はまだ明治維新の前で海坂藩7万石の城下町でした」

 10人程の武士が勤める御藏役の詰め所です。城で勤めの終わりを知らせる鐘が鳴ります。清兵衛は誘いを断り、家路を急ぎます。妻のいなくなった家には幼い姉妹の以登と姉の萱野、認知症を患った祖母と通いの使用人の直太がいます。妻の病で元々50石と言う少ない石高で、内職をしなければ暮らしていけない程の貧しさでした。「母の看病と私たち姉妹や祖母の世話をするために、父はお酒のお付き合いなどは一切断って、たそがれ時になると、急いで家に帰らなければなりませんでした」と、以登は語ります。

 清兵衛の身なりはいかにも長い間着ているとわかる紋付であり、髪は延びて、髭も剃っておらずに、風呂もそれほど入っているとは思えないものでした。「そんな父のことを、心ない同僚の人たちは『たそがれ清兵衛』というあだ名で呼んでいたそうです」

 「母の長患いでたくさんの借金ができた上に、祖母がもうろくしてからは炊事、洗濯、畑仕事、盆、正月の支度や近所とのおつきあいなどで忙しく、父は自分の身の回りに気を配るゆとりなどなく、次第に薄汚れた姿になりました。娘の私には、そのことがとても悲しかったものです」

 君主が御蔵を見回りに来ました。藩が戦をする時に藏にどの位の食糧が貯蔵されていなければならないかを知るための藏の点検です。君主が米、インゲン、大豆、小豆、味噌、などの積まれている俵を見ます。直接君主に説明してよいとの許可が出て、清兵衛が蓄えられている食物の本数、目方、持つ年数を答えます。君主がその時に鼻を押さえて、清兵衛の衣類に触れます。「最前から妙な臭いがするが、そちか?」と言われます。「よいか、家中の者は庶民のお手本とならねばならない。むさくるしいのはいかんぞ」と注意されます。これは、御蔵役にとって恥であり、清兵衛はその後で上役の叱責を受け、扇子で頭を何度も叩かれます。

 「この噂はたちまち城中に広がり、父はさんざん笑い者にされたそうです。ある日、本家の大叔父さまが大変な剣幕でやってきました。」大叔父様(丹波哲郎)は「何という情ないことだ。おめえが風呂にもへえらねえで、くせえ身体でお上にお目にかかり、たいそう御不快な思いをおかけしたことは井口家一門の恥だぞ。話を聞いて、早速お詫びを申し上げ、幸いお上が寛容なお方でお咎めなしで済んだものの、先君のような気性の激しいお方であってみれ、切腹ものだぞ」と怒りをぶちまけました。「そんな思いをおかけしたとは、あくまで考えておりませんでした。平にお許しを」と平身低頭します。

 そこへ姉の萱野がお茶を持参します。大叔父が「おめえ、いくつになった?」と聞くと萱野は「10歳になりました」と答えます。「それで、何か習い事でもやっとるか?」「はい、針仕事のおけいこと論語の素読を」「何、論語。女子に学問などいらねえ。ひらがなさえ覚えておれば、それでええんだ。なまじ学問などやると、嫁に行きそびれるぞ」と説教します。清兵衛は萱野を下らせます。

 この後、大叔父は「本日わざわざ来たのは,余の儀にあらず、お前に縁談持ってきた」と言い出します。「一刻も早く働き者の嫁もらって、このようなみっともねえ暮らしからぬけださねばならねえ。わしの古いつき合いの庄屋に『行かず後家の娘』がいて、おめえにぜひともと言う。勿論、おめえの貧乏暮らしで、二人の娘に、耄碌したばばあまでいることは伝えてある。ただし、色白であるとか、別嬪であるとか、そのような贅沢は言えねえと言うことはわかってるな。なあに、体がでっかく、尻がでっかく、こどもをたくさん産む女が一番、顔なんぞ、あればいい――――この話進めるぞ。文句あるか?」これに対して、清兵衛は次のように答えます。「私はこの暮らしを叔父様が考えておられるほどみじめとは思っておりましねえ。確かに風呂さも入らねえで、お上に御不快な思いをさせ申したこと、これはよくねえ。二度とこういうことがねえように心がけます。しかし、二人の娘が日々育っていく様子を見ているのは、なんて言うか、例えば、畑の作物や草花を眺めるのに似て、実に楽しいもんでがんす。叔父様が世話して下さる方が、この気持ちわかって下さるかどうか?」

 「もう、おめえたち一家の面倒は見ねえ、と言い据えて、叔父様はお帰りになりました」

 

ブログ掲載作品放送予定(放送日時、チャンネル名は必ずご自分でお確かめ下さい)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
3月17日 19:00 最強のふたり BS12 24.3.13
3月18日 13:00 「戦場にかける橋」 NHKBS 24.3.14
3月20日 19:30 たそがれ清兵衛 BS12 24.3.15
3月20日 13:00 「8日目の蝉」 NHKBS 22.6.6
3月22日 13:00 「ナバロンの要塞」 NHKBS 21.7.21
3月26日 13:40 交渉人 東京12チャンネル 21.11.5
3月27日 19:30 おとうと BS12 22.1.23
3月27日 13:00 「ハドソン川の奇跡」 NHKBS 24.1.9
3月29日 13:40 fフライトゲーム」 東京12チャンネル 20.9.1
             
映画専門チャンネルの近日放映の推薦作品(気がついたもののみです)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
3月15日 22:35 人生劇場・飛車角 日本映画 24.3.12
3月16日 2:30 虎狼の血 WOWOWプラス 23.5.31
3月17日 12:00 インビクタス/負けざる者たち ザ・シネマ 23.6.8
3月17日 16:15 スーパーマン ムービープラス 23.8.22
3月23日 10:00 アンストッパブル ザ・シネマ 23.10.18
3月23日 17:00 戦場のピアニスト WOWOWプラス 23.9.14
3月24日 3:30 マデイソン郡の橋 ザ・シネマ 23.10.20
3月25日 1:30 グラントリノ ザ・シネマ 21.12.17