テレビ東京 CINEMA STREET 午後のロードショー:テレビ東京 (tv-tokyo.co.jp)

博士の愛した数式 - Wikipedia

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製作 2006年 日本東宝 (117分) 監督・脚本 小泉堯史 原作 小川洋子

出演 寺尾聰 深津絵里 斎藤隆成 吉岡秀隆 浅岡ルリ子 井川比佐志

「博士(寺尾聰)の数の知識はおそらく世界一レベルです。博士は交通事故の後遺症で80分しか記憶が残りません。毎日同じ会話の繰り返しを覚悟しなければお世話はできません。家政婦(深津絵里)が優しく、包容力があり、博士の数の話に興味を持ちます。毎日同じ数の話を聞いても嫌になりません。家政婦は家政婦紹介所から派遣されたパートですが、10歳の息子(斎藤隆成)も仲間に入れて、博士と友達になります。家政婦を超えた存在になります。家政婦もその息子も博士が大好きになります。」

第30回日本アカデミー賞優秀男優賞(寺尾聰)

 

(物語)高校のある教室の授業前です。ざわざわしています。数学のルート先生(吉岡秀隆)が入ってきて、授業を始めます。寝癖がついて跳ね上がった髪の毛の弁解をして、「頭が平だから、ルート記号の形から『ルート』と呼ばれている」と自己紹介します。笑いが起こります。生徒の心にすんなり届く優しく寄り添う話し方で、生徒は静かに聞きます。

 「今日はまず僕のことを知ってもらおうと思います。授業とは違うから、ノートは取らなくていいからね。(黒板をきれいにします)『ルート』と呼ばれるようになって、すでに19年、僕がなぜ『ルート』と呼ばれ、数学を好きになり、こうして教壇に立つようになったのかーーー」

 冬の荒波が打ち寄せる海岸に続く岸壁の上の道を『ルート』の28歳の母(深津絵里)は自転車をこいできます。

「僕の母は結婚できない人を愛し、僕を産んで一人で育ててくれた。無学で一人ぼっちだった母が家政婦になったのは、彼女の持っているささやかな能力を生かすのはそこ以外にどこにもなかったからだと思う」と教室でのルート先生の最初の授業の言葉です。

 家政婦紹介所の所長(井川比佐志)が彼女に、お世話する人の説明をします。「今回の顧客はね、少し手強いかもしれんな。何しろこの数年間で9人も変わったそうだから」

彼女はびっくりした顔をします。彼女は紹介所の中では一番若かったのですが、もう10年選手でした。負けん気の強い女性で、家事のプロとしての誇りを誰よりも持っていました。

 彼女は挨拶にいきます。大きな敷地で、家も大きく資産家でした。博士(寺尾聰)と呼ばれる人の姉(浅岡ルリ子)が出てきて、博士の説明と世話の仕方を説明します。

「世話をして欲しいのは義弟です。主人の弟です。どなたも長続きしなくてーーー特別なことをお願いするわけではありません。午前11時から午後7時まで食事と身の回りの世話をしていただくだけです」

 博士は「離れ」にいて、姉は母屋に暮らしています。

「離れと母屋は行き来しないで下さい。あなたの仕事場は離れです。義弟が起こすトラブルは離れの中で解決して下さい。これだけは守ってもらいます」

「はい、今日、弟さんにお目にかかれますか?」と、あらたまって尋ねます。

「その必要はありません。今日あなたと顔を合わせても、明日になれば忘れてしまいます。義弟は記憶が不自由なのです。交通事故に遭って、頭を打ったのです。弟の記憶の蓄積は1975年の春、二人で興福寺に見に行った薪能の夜で終わっております。事故から10年経ちましたが、義弟の記憶では薪能を見に行ったのは常に1日前、つまり昨夜の出来事なのです。私が日々歳を重ねることさえ理解できません。とにかく記憶は80分しか持ちません。」

 博士はイギリスのケンブリッジまで留学しました。数学の勉強を続けられたのは親が残した織物工場を博士の兄が大きくして学費を出してくれたからでした。博士号も取り、大学の数学研究所にも就職が決まっていましたが、兄が突然亡くなります。姉は工場をたたんで、マンションを建てて。家賃収入で暮らしを立てるようになりました。しかし、交通事故ですべてが変わりました。博士は大学を辞職し、義妹の援助で今日まで生きてきました。

 日が変わります。ルートの母親が離れの前に自転車を停めて、その戸を叩きます。誰も出てこないので、戸をあけて中へ入ります。すると、博士が出てきます。博士はネクタイにブレザー姿の中年のおじさんです。眼鏡がブレザーの前にぶら下がっていて、ブレザーには忘れてはいけないことが書かれたメモ用紙が4枚、ピンでとめられています。

「きみの靴のサイズはいくつかね?」と、いきなり珍しいものを見る目で尋ねてきます。これが、博士が初対面のルートの母親に投げかけた最初の言葉でした。

「24です」と彼女は不思議そうに答えます。

「ほう、実に潔い数字だ。4の階乗だ」「階乗とは何でしょうか?」

「1から4までの自然数を全部掛け合わせると24になる。きみの電話番号は何番かね?」

「576-1455です」「576万1455だって?素晴らしいじゃないか。一億までの間に存在する素数の数に等しいとは。まあ、あがってくれたまえ。僕は仕事があるから、お構いできないが、君は君で自由にやってくれたらいい」

 その日から、毎朝11時に来るルートの母親と博士は数字の会話を繰り返します。80分で記憶が消えるので、彼女は毎日初対面の人でした。博士が数字を持ち出すのは、他人と交流するために考え出した方法でした。自分が何をしゃべっていいかわからなくなって混乱した時、言葉の代わりが数字なのでした。

 今のルート先生の教室です。その後、友愛数、完全数、ルート、虚数などいろいろな数字がルート先生の説明の中で生徒に説明されます。とても分かりやすく、数の不思議さにびっくりします。そして、最後は数式を使って「無」を説明します。それこそ「博士の愛した数式」でした。

 

ブログ掲載作品放送予定(放送日時、チャンネル名は必ずご自分でお確かめ下さい)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
2月21日 13:40 「ペイバック」 東京12チャンネル 22.11.27
2月22日 13:40 「博士の愛した数式」 東京12チャンネル 24.2.20
2月24日 19:00 96時間 BS12 21.2.29
2月26日 13:40 「フューリー」 東京12チャンネル 21.9.7
2月27日 13:40 「依頼人」 東京12チャンネル 21.7.11
2月28日 13:40 エイリアン 東京12チャンネル 23.11.1
             
映画専門チャンネルの近日放映の推薦作品(気がついたもののみです)
2月20日 7:00 みじかくも美しく燃え WOWOWシネマ 24.2.14