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椿三十郎 - Wikipedia

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製作 1962年 東宝 (96分) 監督・脚本 黒沢明 原作 山本周五郎

脚本 菊島隆三 小国英雄 

出演 三船敏郎 仲代達也 加山雄三

「藩の汚職を暴こうとする若者九人の意気に感じて、彼らを助けるために知恵と度胸と素晴らしい剣裁きを見せる浪人・椿三十郎(三船敏郎)の活躍」

 

(物語)人里離れた林の中にある神社の横にある板張りの広間に集まった九人の若い家臣の激しい話合いから始まります。「だめか、やっぱり」との声に、城代家老を叔父にもつ井坂伊織(加山雄三)は「うん」と頷きます。

「とにかく叔父は話にならない。我々の決意を述べ、奸物粛清の意見書を渡すと、ざっと目を通して、これでも城代家老だ、この位の事はお前たちに言われなくともわかっている、と言うのだ。そこで俺も言った。殿様御出府中、その留守を預かる城代家老が、次席家老と国元四人の汚職を知りながら何故今日まで見逃していたのか?するとニヤニヤ笑って、おい、俺がその汚職の黒幕かもしれないぞ、お前たちはこの俺をうすのろのお人好しだと思って、案山子代わりに担ぎ出すつもりらしいが、人は見かけによらないよ、危ない、危ない。第一、一番悪い奴はとんでもない所にいる。危ない、危ない。そう言うと、いきなり意見書をびりびり破いた。無茶なんだよ、全く」

 ここで、井坂は「叔父にははっきり見切りをつけて、打ち合わせの通り、次に大目付の菊井さんの所に行った」と大目付邸での報告をします。「大目付の菊井さんはやっぱり話がわかる」と言うと、井坂の表情が変わり、すっかり希望に満ちた明るいものになります。集まっていた青年家臣も膝を前に乗り出して、力が入ります。

「初めのうちは困った顔をしてご城代と相談して、と逃げを打っていたが、俺が今の叔父の話をするとびっくりしてね。しばらく考え込んでいたが、よろしい、この際あなたたち若い人と共に立ちましょう」ここで集まった一同は喜びの大笑いです。「それではいっぺんあなたたちとゆっくり話し合いたい。なるべく早くあなたの仲間を集めて欲しい」

 集まった九人が喜んで、「菊井さんはやっぱり本物だ」「大目付が味方につけば千人力だ。うすのろのお人好しを案山子替わりに担ぐのとはわけが違う」と、もう勝ったような雰囲気で、笑いに満ちた集まりになります。すると、近くからあくびが聞こえます。浪人が隣の部屋から出てきます。暗い中から、ようやく浪人の顔が見えてきます。浪人は立ち上がった青年藩士たちの顔を半分馬鹿にしたような、高い所から見下ろすように見つめ回します。そして大あくびをしてから、刀で自分の肩を叩いて、眠気を追い払いながら、しゃべり始めます。

「ちょいと待ちな。おめえたちの話を聞いていると全く、」

「何を聞いた?こいつ逃がすな!」と、全員が刀に手をかけます。

「馬鹿やろ、逃げるつもりなら、初めからから出てきやしねえや」

「貴様、何でこんな所に」と井坂が聞きます。

「ここは旅籠賃が取られねえからな。まあ、聞きな。盗み聞きっていうのはいいもんだぜ。傍目八目とはよく言ったもんさ。おめえたちよりも話の中身がよくわかる。俺に言わせれば城代家老が本物で、菊井は眉唾だぜ。俺はその二人の面も知らねえ。知らねえから、見かけで騙される心配もねえ。城代はつまらねえ面してんだろう。だがな、城代はなかなかのたまだぜ。自分がバカだと思われてるのを気にしねえだけでも大物だ。一方、菊井は見かけは申し分ねえーーー(ここで浪人は一同の顔を見回して)やっぱりそうらしいな。しかし、人は見かけによらねえよ、あぶねえ、あぶねえだぜ、これは城代のセリフだ。そんなに怒るな。城代はもっとはっきり言ってる、一番悪い奴はとんでもない所にいる。大目付の菊井が黒幕かもしれねえぜ。そうじゃねえか、大目付の仕事は藩内のごたごたを収めることだ。それがお前たちをたきつけていやがる。変だと思わねえのか?それに、みんなと話し合いたいから、どこかに集めてくれも危ない。大目付が黒幕なら、集めといて一網打尽だぜ。とにかく、この話には乗らないで、しばらく様子をみることだな」

 その時すでにその場所は大目付、菊井の手の者たちによって取り囲まれていました。井坂伊織は大目付とこの場所で若者みんなと落ち合う約束をしてきたのでした。浪人はこの取り手の者たちを見事に蹴散らし、追い返します。九人の若者はすっかりこの浪人を信じ、奸物は大目付・菊井と知ったのでした。

「こうなったら死ぬも生きるも我々9人」と、若者の一人が言います。

「10人だ、てめえらのやることは危なくてみていられねえや」

と浪人は彼らの手助けを高らかに宣言するのです。

 井坂が大目付に藩政に汚職があると進言したものですから、大目付は先回りして悪事が露見しないようにする必要があります。そこで城代家老を監禁して、城代家老の家には見張りを置きます。城代家老の奥方と娘は軟禁されて屋敷を出ることができません。浪人はまず、この二人を救い出すことを提案し、後のことはゆっくり考えると言うのです。

 救い出された奥方と娘はこの浪人の名前を尋ねます。すると浪人は若者九人の新しい隠れ家の庭に咲き誇る椿の花を見て「私の名は椿三十郎、そろそろ四十郎ですが」と言うのです。一同大笑いです。

 

ブログ掲載作品放送予定(放送日時、チャンネル名は必ずご自分でお確かめ下さい。また、未掲載の作品がありましたら、間違いですので、ご勘弁下さい。作品ブログはブログ内を題名等でご検索下さい)
  放映日 曜日 開始時間 映画タイトル 放映チャンネル ブログ掲載日
1月19日 8:30 ある男 WOWOWシネマ 24.1.15
1月19日 9:20 古幡任三郎・黒岩博士の恐怖 日本映画 23.11.17
1月19日 13:40 夕陽のガンマン 東京12チャンネル 24.1.16
1月19日 15:00 ソルト ザ・シネマ 22.10.9
1月20日 11:00 フレンチ・コネクション ザ・シネマ 24.1.17
1月21日 0:00 ボヘミアン・ラプソデイ NHKBS 24.1.18
1月21日 10:30 椿三十郎 NHKBS 21.2.10
1月22日 16:30 ボーダーライン(2015) WOWOWプラス 21.6.27
1月22日 3:30  ア・フュー・グッドメン ザ・シネマ 22.11.23
1月22日 1:30 チェイサー ザ・シネマ 23.9.1
1月22日 13:30 ミッドナイト・ラン ムービー・プラス 21.8.1
1月23日 8:30 戦争のはらわた WOWOWプラス 23.10.27
1月23日 1:15 エイリアン WOWOWシネマ 23.11.1
1月23日 21:00 ガントレット WOWOWシネマ 23.1.8