原田朱出演 朗読劇「ロミオとジュリエットの落とし物」Cチーム | Kurochanのしろもんの湖東さとのちゃんを応援するブログ

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東京から北陸の片田舎に移り住んで、三重県にも住んでいましたが、2019年夏に東京に戻ってきました。しろもんの湖東さとのちゃんを応援しています。

今日は仕事が早く上がれたので、秋間宏美役で原田朱ちゃんが出演した、朗読劇「ロミオとジュリエットの落としもの」を観に新宿アルタKey Studioへ。

朗読劇は初めて観るような…。ステージ上にずらりと並ぶ9本のスタンドマイクを見て、ラジオドラマの公開録音くらいの気持ちで客席にいましたが、役者の皆さんは台本を片手に、声と限られた動きの中での迫真の演技に引き込まれて、60分があっという間でした。


※ここからは劇評ではなく、個人的な備忘録でネタバレになるので、配信のみを見る方は読まない方がいいです。


このステージを観る前に、上のフライヤーを一応読んでいます。そうすると、大地震の後に建物の中に取り残された9人が救助されるまでの極限の精神状況と肉体状況の中で繰り広げられるストーリーなのだと思って観始めるのですが、そういう極限の状態の中で、部落差別とか外国人差別とかLGBTQ差別とか女性差別とか犯罪者の親族への差別とか、さらに9人それぞれが抱える自分たちだけでどうしようもない状況の事を描いていて、なかなか重たいストーリーでした。これはもしかしたら、作者や演出が感じている今の社会にある閉塞感みたいなものを、大地震で閉じ込められた9人で表現したのかな。

気になったのは、紅羽と歌恋に最初に中国語のセリフを話させて、宏美が何となくふたりの中国語を理解できるみたい流れから、紅羽と歌恋のセリフが少しずつ日本語化して、雅彦もふたりの中国語を分かるようになって、ふたりのセリフがふつうに日本語になってしまう流れ。とても難しいと思うのですが、ふたりが実は中国人であるというのを表現するためには、いわゆる中国人が話す日本語のセリフにすることもアリなのかと思います。でも、それをすると差別っぽく聴こえる…。ここはとても難しいと思いました。

あとはエンディングで実はこの救出劇は動物園の中で起こっていて、救出された宏美と雅彦以外はみんな動物園の動物で、救出されずに死んでいくという下りは、今まで観てきたストーリーを、「えっ」って感じに完全にリセットするもので、さらにこのストーリーを難解なものにしていました。今まで見せられていた人間関係って何だったのかって感じ。

これで話しを巻き戻して、実は9人のうち7人は動物だったということは…って、頭から見直すと意味不明な劇になるので、これは巻き戻さない方がいいのかなと思いました。

朗読劇なので、目を瞑って聴いていても成立するのかなと思って、途中で時々目を瞑って聞いていたのですが、演者を観ていないとよくわからないところもあるので、ラジオドラマの公開録音の気持ちでは観られない、素晴らしい、でも難解な朗読劇でした。


ではでは