服部克久先生は『音楽畑』シリーズにおいて,それこそ様々な楽曲を手掛けられましたが,日本を題材にした楽曲も多くあります。その中には私の出身地である富山県を題材にした『音楽畑15』《蜃気楼》などもありますが,一応日本史の教員なので,歴史的エピソードを題材にした『音楽畑19』《一条戻り橋》は特に好きな1曲です。「一条戻り橋」は平安遷都の794年,一条大路に堀川を渡る橋として架橋され,様々な伝承を生んだ橋として有名です。(日本史の教員ぽいでしょ?)以前旅行で京都を訪れた際にも足を運んで写真を撮りましたねー。
楽曲は(複合)三部形式で,最初のキーに戻ってエンディングを迎えます。ストリングスにメロディーが移ってからの中間部の4小節フレーズを3回繰り返すところも個人的に好きですし,その後のヴァイオリンとチェロの掛け合い,そして戻ってからのヴァイオリンのオブリガードもメロディアス。ミュージシャンの演奏も素晴らしく,冒頭のギターソロ(松原正樹さん)から音色の美しさと豊かさに耳を奪われるが,アイリッシュ・フルート(高桑英世さん)の息使いを感じるフレージング,そして高田みどりさんの卓越したパーカッション(特にタンバリンを聴け!あとはティンパニーやスレイベル)と聴き所満載です。私はどのジャンルにおいても打楽器が活躍する楽曲が好きなので(出番が多いという意味ではない)それもこの曲に惹かれる理由の1つでしょう。
この《一条戻り橋》は『服部克久』のアルバム内にも《一条戻り橋’09》として歌詞がついて収録され,さだまさしさんが唄でおられます。(作詞もさだまさしさん)原曲と同じキーで,篠崎正嗣さんのヴァイオリンと美野春樹さんのピアノが聴きものです。『音楽畑』の楽曲の中には,後に歌詞がついて歌われるものもありますが,まさか《一条戻り橋》とは!
