こうやってブログにいろいろを書くことで心の整理や忘却を、する。

6月に多かったブログもそのためだ。


今も仕事中だが書いている。


忘却を、したい。


私は今何をしたいのかよく解らなくなっている。

目眩頭痛吐き気堪えるのに必死だ。


よく解らない。


原発問題も経済不安も資料をためていた内からただ吐き出すために書いただけ。

書け書け、と云われて書いただけ。


それもこれも忘却のため。


書くことに集中すれば一時は忘れられる。


でも


無理なんだ。

色々が無理なんだ。


今はこうして書いているが忘却どころか


お前は馬鹿かと


脳内に衝撃を喰らって

身体がついてこない


運転がちょっと人より上手だったはずなのに

後ろも前も解らなくなっている


頭痛がする


どうしていいかわからない


ただ一人悶々としている

どうにも我慢を吐き出せない


職場の人間と顔をあわせるのも辛い

逃げて甘える相手もいない



こんなになったのは初めてだけれど


こんなにしんどいもんかと

つくづく思う


助けてもらいたい人は


誰かに甘えていますか






「あんたの飯食いたいんだけど」


昔の職場の後輩からメールが来た。

数年前私は一人暮らしをしており、後輩は家によく遊びに来た。

というより自宅に戻りたくなかったのか、若いゆえ遊びたかったのか。

その後輩は、曲がりなりにもかなり極めたラッパーであった。

都内で行われるラップバトルに足繁く通い準優勝という微妙な立場におかれていたのだが、某有名歌手が無名だった頃、後輩のスタジオ名をもじって使用していたくらいそこそこ有名ではあった。


デモテープを音楽事務所へあちこち配るも「コアすぎる」と一蹴され、「今売れてるラップは、あんなのはラップじゃねぇ。ただのお経だ」とよく嘆いていた。

愛だ恋だのとさわやかに歌うラップ風、韻を踏まないラップ風。

それは彼が求めているものとは遥かに違いすぎていた。彼の求めているものは、小説にも似た言葉遊びと無骨な男心を表現したものであった。


「ビッチだ」


ほいほいと鼻ほじりながら聞く私を心地よく思っていたのか、都合が良かったのか、街中ライブハウスでイベントがあるごとに必ず誘われ、彼のライブと彼の教え子のライブを見てその後感想を述べよと問答受けたので、


「ワンドリンク付きなのに私は酒飲めない。それが不満」


と全く関係ない感想を述べ、それをもろともせず熱く語りはじめる後輩にやはり鼻ほじりながらへえへえと返事を返し、酔っ払いすぎた後輩をおぶって送り届けるのが常であった。


彼の集中力と勢いには凄まじいものがあって、しかし心が非常に繊細であった。

曲作りに対する情熱と集中力。日中の仕事を全力でこなしヘトヘトになっているはずなのにそのまま寝ずに曲作りを開始。一日1時間寝ればいいほうで、納得いく曲が完成するまではその日々が続いていた。


そうかと思えば素っ裸で街中の屋上から屋上へ飛びまわったり、ラジオでパーソナリティーいじめたり、上司に悪態ついてみたり、あとでこっそり私にどうしようとオロオロしてみたりとまあ、変わった奴だった。

とりあえず、ここには書けない一歩間違えば気違いのようないろいろをしていた。

しかし繊細なので、急に寂しくなったり心細くなると拠り所を求めて私の自宅に来ていた。


嫁のとこに行けよと思うのだが。


でもそれを理解してくれる人もいない。認めてくれる人もいない。後輩の教え子は行動力のある彼を尊敬の念で見ているから、彼は強がっているし格好つけちゃったりしているのだが、私にとってはただの悪がきの「小坊主」だった。

後輩は「30までに結果を出せなかったら音楽はスッパリやめる、だらだら続けるのは俺にとって良いことではない」と云っていた。


後輩の教え子の目の前で後輩に対し「なんじゃ小坊主」と云い放つ私を教え子は相当恐怖に感じていたらしい。


まるで悪人じゃないか。


そんな後輩から久々にメールが来たと思ったら「飯作れ」。

彼なりの遊んで欲しいという合図で、ここの所クサクサしていたので少し悩んだが、チャン・グンソクを目の前に連れて来てくれたら遊ぼうかと思う。


そんな後輩は今農業に目覚めている。



日曜日、寝起きにカアテンを開けたらなるほど天気がよろしい。庭にある砂利が太陽を反射して私の眼を貫いてゆく。

眩しさに耐え切れなくなり布団に入り込むを決め込んでみたものの、ねっとりしたヒトラーがもっさりした部下を引きつれミュンヘン一揆が口腔内にて勃発、歯周ポケットをずぶずぶと刺激し悪臭放つことこの上無く、やむなし起き上がり歯を磨いたのち、ヒトラーを自害に追いやった。

歯をしゃくしゃくと擦りつつ鏡を覗くと寝癖も付かない程、あまりに髪が伸びすぎている。柳生博も驚愕するほどのペッタリ感と9:1分け。

これは流石にいけないと15年程通っている髪切り屋に電話をし、訪問した。


以前にも書いたが私は面倒くさがりなので、髪型を決める事ができない。その為いつもマスターに身を委ねて出来栄えを評価し感想する。マスターはMr.ビーンの顔面を持つ男である。

今回もそんな感じでやってもらおうとしたのであるが、新人と見受けられる若い男子が近づいてきて執拗に髪型を決めさせようとしてくるのだ。


「どんな感じにしたいですか?」

「特には・・・」

「ここら辺なんか似合うとおもうんですよ~」

「そうですかねえ・・・」

「で、どんな感じがいいんですか?」

「いや、何も考えてないんですが・・・」


エンドレスに続くこの会話に耐えかねた私は終始うつむき、新人に会話の全てを丸投げし


「じゃああなたが決めてください。私は似合えば坊主でもよろしい」


そういって会話を強制終了させたので、困った新人はビーンに助けを求めに行ったのだが、きっちり怒られていた。ビーンは私に謝りつつ髪切りを開始。

私は最低限の希望を述べた。以下の通りである。


・ いつもしゅっとした感じなのでほんわりな感じに

・ 日々後退していく額が気になるのでそこは技術を結集して誤魔化していただきたい。


この2点を述べた。


雑誌をビーンと眺め、これはという髪形があったのでそれにすることとした。

雑誌に写る笑顔のモデルはとても素敵な仕上がりを見せている。

ここから私は今までのイメージを変えるべく髪切りという山登りに出た。


素晴らしい手さばきで髪を切り切りされ東北東へ進む。ぐるりと一周山の稜線に沿って鋏みを走らせるビーンは、山の頂に着いた時ふと手を止め、鏡に映る私をじっと眺めていた。

どうやら最初に述べた希望通り、額に全ての情熱を注ぐべく集中しているようである。


考えあぐねて出た言葉が


「適当にきるわ。」


そうして額という直滑降を滑り降りながらざっくざっくと切り刻み、完成。

ビーンは不敵な笑みを浮かべていた。私は下山できないやも知れんと不安になった。

座っている椅子の周りには伐採された髪の毛がこんもりとし、心底地球温暖化を案じた。

地球は大丈夫だろうか。私は生きて帰れるのだろうか。


その後、イメージじゃないイメージじゃないと散々言われたにも関わらず、他スタッフに煽てられたも相まってコレだけ伐採したんだからもういっそ一思いにやっちまってくれいと雑誌の通りのパーマネントを当てた。


とうとう登山は終了した。

5時間にも及ぶ壮大スペクタクルであった。


完成された毛髪を鏡で眺めてみると、そこには雑誌の中の素敵なあの子ではない、大泉洋が居た。


もう、過去は振り返らない。


あまりの廃人ぷりな私を目の当たりにした友人が、これではお前は老衰してしまうと突然自宅に訪問してきて連行された。

ユニコーンより劣るが、私の好物である海の物を観覧しに八景島へ行くと云うので黙って付いて行く事に。


横浜にある八景島シーパラダイスへ向かう高速道路は、既に上限1000円廃止をしており、超高額料金徴収をされるのかとガックリとしていたのだが、週末でもないので関係ないやと思う以上に、私の支払いではないからもっと関係ないやと思いつつ過ぎ行く景色を眺めていた。


老衰しかけている私は道中暑さで干からびそうになった。

それにしても猛烈な暑さ。友人の車に乗り込んで行ったのだが、車内のBGMはおにゃん子クラブの「セーラー服を脱がさないで」が軽やかに流れている。


全ての振り付けを完璧なまでに踊っておいた。


おかげで色んな意味で暑くなってしまった。

セーラー服の次に流れた曲は、「人造人間キャシャーン」「ルパン三世のテーマ」「ガンダム」「エウレカセブン」「キャプテン翼」と次々に流れてくるではないか。

さすが友人。いやがおうにも歌ってしまうではないか。ヤバス。


友人は歌っている私をチラ見しニヤリとした。うっ・・・。まんまと嵌められている。


2時間ほどの時間をアニメソングで満喫し、八景島に到着した。

さすが平日なだけあって、非常に空いていた。到着はちょうどお昼時であったのでそのまま館内のレストランにて食事を取ることとしたのだが、どこかしこもガランドウである。

ふと目線をやった先には、芋洗坂係長の様な風体をしたおっさんがモシャモシャと肉を喰らっていた。

あまりに幸せそうな顔をして喰らっていたので、引き込まれるようにそのレストランに入り注文した。


まずかった。


芋洗坂にだまされた。

これが店の戦略か。まんまとやられてしまった私と友人は、くそ高い料金を支払い、無駄に腹を満腹にしてしまったのである。


重い腹を抱えながら、ともかく水族館とやらを楽しみませうと館内へ。

様々見ていく中で私が非常に気に入ったのが蛙のコーナーで、奥田民生めいた蛙が一匹。(うっかり名前を控えてくるのを忘れたのだが)口がやたらとでかいヤツがいた。しかもそこそこ身体がでかかったのだがまぁ微動だにしない。

蛙コーナーを一周見終えて今一度そいつの所へ戻っていったがヤツはすやすやと眠っていやがった。こいつは間違いなく民生だ。


最近八景島シーパラダイスにはジンベイザメがやってきたらしく、館内の目玉となっていた。

大人になると数十メートルにもなるというジンベイザメ。食事はアミエビで、性格は穏やかである。私は大きい生き物が大好きなので心躍らせジンベイへと足を向ける。


「どこじゃジンベイ」

「イルカのショーをやるプールにいるらしいぞ」

「ほう、じゃあすこのとこだな」


てくてくと早歩きしながらプールに到着した。



・・・極小。



シロイルカとあまり変わらないジンベイザメの体格に大いなる期待を裏切られ、愕然とする私。

友人はやる気のない白熊に夢中であった。


何だか急激に海の物を見る気力が失せてしまったので、ふれあいコーナーへ行くつもりもキャンセル、とりあえずピラニアの肉食ぷりを見学した後、亀を眺めた。

最終的に機関車トーマスへ跨り、おにゃん子の「じゃあね」を歌って岐路についた。


友人の優しさに大いに甘え、涎を車のシートにべったりと染み付け30分ほど眠ることができた。

ありがとうドドリアさん。


そうして私は何も無いはずの休日を、友人とおにゃん子クラブによって助けられた。

そんな一日ですた。






職場には珈琲メイカーがちょこんと机に乗っかっている。


珈琲好きの私は毎日最大容量である5人分をドリップ、良い香りにうっとりと完成さるる珈琲を仕事こなして待っている。


こなしていると呼び出しを食らう。呼ばれた先に行く。問題解決する。定位置へ戻る。珈琲の香りにうっとりする。呼ばれる。呼ばれた先に行く。やっぱいいやとフラれる。がっくり肩を落とし定位置に戻る。こなす仕事。


珈琲を忘却する。呼び出しを食らう。行く。解決。戻る。はたと気づき慌ててドリップしたはずの珈琲へ駆け寄る。




ポットは空だった。


ぼーと眺めた。



泣きながら2度目の5人分ドリップ。完成さるるまで作業をこなす。


こなしていると呼び出しを食らう。呼ばれた先に行く。問題解決する。定位置へ戻る。珈琲の香りにうっとりする。呼ばれる。呼ばれた先に行く。やっぱ用は無いと一蹴される。上を向いて歩こうしながら定位置に戻る。こなす仕事。


珈琲を失念する。呼び出しを食らう。行く。解決。戻る。はたと気づき慌ててドリップしたはずの珈琲へ駆け寄る。






ポットは空だった。


マウスパッドは青かった。




辺りに見えるは飲用中と思わしき、香しき珈琲の群れが鎮座する。



私に何か落ち度があったのだろうか。いや、無い。無くはないが、やっぱあるのか。

飲みかけの珈琲は、ある。が、珈琲にありつけない。ということはやはり、無い。



毎日はこうやって過ぎていくのだ。



珈琲日和。