もうすぐはち太の帰る時間だ。
はち太が帰るとはち太の時間だ。
はち太といっぱいお話をする時間だ。
はち太は興奮すると、わたしが考える間もないほど、しゃべり続ける。
わたしと一緒にいられるのが嬉しくて仕方ない子犬のようだ。
店についたらテレビの時間だ。
テレビがいっぱいお話をする時間だ。
テレビはいつも大騒ぎしていて、わたしが考える間もないほど、しゃべり続ける。
客が来たら、お客さんの時間だ。
お客さんにいっぱい相手をする時間だ。
お客さんというものは相手をして欲しがっているからお店に来るわけで、考えるより鏡に映すようにして、相手し続ける。
仕事が終わったらわたしの時間だ。
わたしがいっぱいお話をしたい時間だ。
ちいさなわたしが一生懸命話しかけるのを、
ちょっと待ってねとちいさなわたしをなだめて
できるだけ余計なことを考えないようにして
いつもやる同じことを自動的に処理して
睡眠薬を飲んで強制終了する。