江戸時代、
浪人というのは、
かつての主家を失い、
禄も役もなく、
将軍へのお目見えも
許されぬ身分であった。
この、なれのはて蔵、
名門の家柄ながら
無役にして無収入という、
浪人としては
最低の境遇である。
したがって、稼がねばならない。
しかしこの時代、
武士の副業はご法度であった。
そのため蔵は、
大っぴらにはできぬ
“かたてわざ”と称する
裏の稼業に
身を投じていたのである――。
拙者、名を「なれのはて蔵」と申す。
かつては名門の家に生まれしものの、今は浪人、無役にして無収入。まさしく「なれの果て」と笑われる身の上にござる。
されど人は米を食らわねば生きていけぬ。
刀を振る暇もなく、傘貼り内職で糊口をしのぐ日々……
これではいつまで経っても先は見えぬ。
そこで拙者、思い立ったのが 「かたてわざ」。
江戸の世ならご法度の副業も、現代においては「知恵と工夫」で堂々と稼ぐ術となる。
まず手を付けるは ポイントサイト とやら。
クリックひとつで小判が舞い込み、口座を開けばまとまった銀が入ると聞く。
にわかには信じ難き話だが、やってみねば分からぬ。
この「かたてわざ修行帖」には、拙者が体験したことを余すところなく記すつもり。同じように困窮の折、副業に挑む同志があれば、ぜひ役立ててもらいたい。
さて、浪人の挑戦――ここに始まる。