拙者、なれのはて蔵。
かたてわざ修行を始めると決めたものの、
いざ歩を進めようとすれば、まずは門を叩かねばならぬ。
世に聞こえる「ポイントサイト」なるもの。
小判が舞い込む仕組みだと耳にしたが、
その名を聞いただけでは胡散臭さこの上なし。
「名を記せ」「年を記せ」「住所を記せ」と、
あれやこれやと所望してくる。
まるで役所の帳面に書き入れるようで、
筆を取る手もつい震える。
されどここで退いては、浪人稼業の先は見えぬ。
清水の舞台ならぬ、畳の間から飛び降りる覚悟で、
ついに登録を果たしたのである。
……結果や如何に?
すぐさま財布に小判が転がり込むわけではない。
だが一歩踏み出さねば、道は開けぬ。
浪人の修行、いよいよ実戦に入るのであった。