金ちゃんがお世話になった学童保育では、経営母体の学習塾のリソースを活用し、放課後活動として実験やプログラミング、英会話や算数、雑学的教養のお話など多彩なコンテンツを選び学ぶことができます。スポーツクラブと提携もしていて、学童の先生がスイミングやチアなどに連れて行ってくれます。学校の宿題をする時間も、きちんと決まっています。下校時刻に合わせ、クラブのバスが校門前まで迎えに来てくれます。安全、安心です。


金ちゃんは就学前は保育園児で、学童保育は必須。ちょうど新入学のタイミングで新設されたそのクラブは本当に魅力的でした⭐️

金ちゃんもクラブが大好きで、毎日カリキュラムを楽しんでいた…はずでした。


当時、本当に大切な事を忘れていたのです。学童保育は学校生活の後の放課後の活動で、子どもには放課後に好きなことをして過ごす時間が必要だという、考えて見ればごくごく当たり前のこと。


金ちゃんは毎日2~3コマのカリキュラムに参加しました…ていうか、させられていました。もちろん、どれに参加したいか、金ちゃんの希望をきいて決めていましたが… いくら好きなことでも、与えられたことを毎日やらされるだけの放課後。その生活が長期的に金ちゃんの成長にどんな影響を与えるか、私は全く思い至りませんでした。「水曜日と金曜日は疲れてるだろうから学童保育所では何もしないで遊んでていいよ」という選択もありだった。なのに決められた時間割だけを毎日ひたすらこなす生活を4年近く続けさせていたのです。私たちは、金ちゃんが日々やりたいことを自ら考えてやる自由と、時間をコントロールする力をつける機会を奪ってしまったのです。


金ちゃんは、次第に学童での算数の時間に問題に取り組まなくなったり、スポーツクラブに行きたくないと言うようになり、クラブから仕事中の私に電話がかかってきたものです。


そうした金ちゃんの行動をSOSとしてきちんと受け止めることができていたら…と、後悔していますが、後悔先に立たず。その後も、同様の「やりたくない」「行きたくない」は、場所を変え繰り返し起こります。その都度、私は「今日は疲れてるから仕方ないね」などと場当たり的な対応をしただけでした。そして、小4の12月にクラブを退所した10歳の金ちゃんは、突然放課後にいろんなことを自分で操縦しなければいけない状況におかれます。