《残念ですが、ヒネモスの米粉カヌレは現在お休み中です。お取り寄せできる甲府市のお店を最後に紹介しておりますのでご覧ください》
私は小麦が体に合わない遅発型アレルギーなことがわかり、5年ほど前からグルテンフリー(小麦絶ち)や化学物質フリーをしています。おかげで長年重症だった花粉症や慢性胃炎そしてバセドウ病を治すことができました。
しかし、今でも心残りなのが「カヌレ」です。私はカヌレが大好物だったのです。
カヌレはフランスボルドー地方の修道院で作られたのが始まりとされています。修道院ではミツバチを飼って祭壇用に使うキャンドル用の蜜ろうを採っていたのです。そしてボルドーは有名なワインの産地です。ワインの澱を沈めるために卵白を大量に使っていたために卵黄が大量に余っていました。その二つを合わせて作られたお菓子がカヌレなのです。
25年前の大ブームの時には、うちでも多くの菓子店に蜜ろうを販売していました。私自身もカヌレの型を使ったキャンドルを作りました。ですから、私は甘党ではありませんがカヌレに寄せる思いは人一倍強く、ブームが終わってもカヌレを見かけると必ず購入して食べていたのです。
そして近頃、その憧れのカヌレを5年ぶりに堪能することができました。叶えてくださったのは山形市の陶芸の里平清水で小さな予約制のお菓子店「Hinemosu」を営む長谷川美穂さんです。近頃は蜜ろうの代わりに扱いやすいバターを使う店が増えている中、忠実に蜜ろうで焼かれています。
実は、出版予定の本で蜜ろうの利用法を書くにあたり、カヌレは欠かせないと思い取材をお願いしていたのです。そして取材するからには小麦だけれど割り切って食べようと覚悟していました。 ところが長谷川さんは、なんと米粉で作ってくださっていたのです。私が小麦を食べないことを以前から知っていて試作を重ねてくださっていたのです。感激で胸が熱くなりました。
いい香りがたちこめるなか、焼きあがったカヌレが冷めて食べ頃になるまでの間に、美味しいコーヒーをいただきながらお話をうかがいました。
驚いたのは、カヌレを作るのは他のお菓子よりもずい分手間がかかるということ。小麦、バター、卵、砂糖、バニラ、ラム酒で作った生地を冷蔵庫で22時間寝かせ、2時間常温に置き、焼くのに90分。さらに焼いている間も温度調整が必要とのこと。さらに、独特のカリカリ感を楽しんでもらうためその日に焼くので失敗できず未だに緊張すると。
銅製の型の内側に蜜ろうを塗る方法も意外でした。熱した型に、熱した蜜ろうを満タンに入れ、すぐにひっくり返して蜜ろうを戻し、型は網にのせ余分な蜜ろうを滴り落とし、そこに生地を入れて焼くのだそうです。 蜜ろうを使って焼くと表面の独特の輝きとカリっと感が出るらしく、特にうちの蜜ろうを使うと、焼きながらいい香りを楽しめるとおっしゃって下さいました。
そして、いよいよ試食をさせていただきました。
芳ばしい香りとカリッと感、中はしっとり、まったり。ちょうど良い甘み。広がりのあるやさしい味わい。米粉の存在はまったく感じられず、よりカリっと感やまったり感が増しているように感じました。自称カヌレ評論家としては、お世辞抜きで今まで食べた中でもっとも美味しいカヌレです。そして間違いなく小麦アレルギーの人を癒してくれるカヌレです。
長谷川さんは、幼稚園の頃から寛容なおばあちゃんのおかげで、ドーナツを自分で粉を練り、油で揚げ、近所の人達にあげて喜ばれるのが楽しみだったそうです。大人になられてもおいしいお菓子で多くの人を幸せにしていらっしゃるんだなと思いました。
グルテンフリーの方にはこちらもオススメです↓
■ショコラモワル
Hinemosu
〒990-2401 山形県山形市平清水33-8
営業日/木・金曜日
土曜日は不定期営業(インスタグラムにてお知らせ)
営業時間12時〜17時
予約日/月・火曜日
ホームページ http://hinemosu.info/
※残念ですが、しばらく米粉カヌレの製造はお休みするとのこと。再開を祈っております。
しかし、このたび縁がありまして、
山梨県甲府市から安心安全カヌレをお取り寄せできるようになりましたので追記いたします!
■rocoの米粉カヌレ
購入できるのは、山梨県甲府市でお菓子教室を開くrocoさんです。
このカヌレが素晴らしいのは、米粉だけではありません。牛乳は低温殺菌牛乳、卵は平飼有精卵、そしてバターで済まされる時代にしっかり使用している蜜蝋は私の残留検査済み蜜ろうSタイプ。最高の安心安全カヌレです。山形に到着しても表面のパリパリ感が残っていておいしかったです。冷凍すればしばらく楽しめますよ♪