僕は、彼女を知らない(木曜日の彼女)#1.きっと、君を一番好きになる。 | Hatch's smile

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「僕は、彼女を知らない」。

いや、正確には、彼女のすべてを知らないのではなく、彼女とほんの僅かな時間を一緒に過ごした。

彼女の一部の時間を共に生き、彼女と共に苦しみ、彼女と共に気持ちを共有し、彼女と共に同じものに、ときめいたりもした。
そう、僕は、彼女の一部を知っている。
だけど、それは、同時に、
「僕は、彼女のすべてを知らない」。
僕が彼女を知っているのは、ほんの一部に過ぎない。
そして、彼女と彼女の家族に心からの感謝と今後の祝福を願う。
彼女と過ごすことができた時間と、彼女への感謝の敬意を心からここに書き記す。
そしてまた、この恋愛小説ようなブログは、僕の気が向いたある木曜日の日に更新することにする。

1.きっと君を一番好きになる。

彼女との出会いは、確か高校3年生のある晴れた春の日。彼女は、僕のクラスメイトだったけど、彼女は、僕のクラスのある優等生の一人。
僕は、ただのクラスメイトの一人。…のはずだった。
そう、彼女からのある夜の電話の前までは。

ある夜、僕の家に僕宛に電話が来た。
確か、僕の母親が、彼女からの電話を僕に繋いだと思う。
そう、それは彼女からだった。
そして、それが僕と彼女のいわゆる、友人ではなく、彼女と彼の時間の共有の始まりだった。

彼女は、こう切り出した。
昨日の数学の宿題のやり方を僕に教えてほしいと。
僕は、少し不思議に思った。
彼女ほどの優等生が、僕に宿題のやり方を教わるなんて。
だけどそれは、ただの口実に過ぎなかた。
僕の気持ちを自分の方に引き寄せる、ただの会話の切り出しだった。
そして、僕は、まんまとすぐに彼女の作戦に落ちた。
僕は、すぐに彼女に惹かれていった。
その次の晩、また彼女から電話があった。
僕が昨夜の電話で、「聞きたいことがあったら、また僕に電話して」と言ったからだ。
用件は、今ではあまり覚えていない。
ただ、たいしたことではなかったと思う。

そして、彼女は、その電話で、こう切り出した。
僕がクラスメイトの光子のことを、好きだってことを。
僕は、その頃、光子に確かに惹かれていた。
彼女の可愛いらしいその仕草、瞳、美しく風になびく髪に、いつも見惚れていた。
僕の視線は、授業中も休み時間もいつも教室の何処かで光子をことを探していた。
そして、光子を見つけた時、僕の気持ちは、光子に奪われ、誰も寄せ付けなかった。
そして、その気持ちを彼女に白状した。
彼女は、僕の光子の次に、二番目に好きな女の子でも良いと電話の向こうで泣きながら言って、泣き止むことはなかった。
その時、僕は、電話の向こうで泣く彼女の声を聞いて、今はまだ光子を好きだけど、
「きっと君を一番好きになる」
とそう彼女に約束した。
そして、彼女は、僕に言った「ありがとう」と。