最近、クレーマーが逮捕された。
「買ったお菓子に毛が入ってたから金よこせ!」って事実無根の強引なクレームで暴れたらしい。
この男、クレーマーとしての余罪が100件以上あるらしい。

俺なんて2,3日前、楽しみにして買った雑誌の中の袋とじが全部開いていたんだ。
"この袋とじをハサミでキレイに開けたまだ見ぬ未来には一体何が待っているんだろう"というドキドキと感動と夢を閉じた袋とじの中身を、見知らぬ誰かが一銭も払わず、金を払った俺より先に未来を堪能しやがったんだ!この怒りをぶつけるトコもなく、当然、店にクレーマーとして出陣する勇気もなく、俺はただただ耐え忍ぶしかなす術がなかったんだ。。。

俺なんて昨日も夜食に食べようと楽しみにしてたうまい棒(めんたい味)を開けたら中身がぐっしゃぐしゃだったんだ。"この袋を開けたら、東京タワーのような流線型の棒を口いっぱいにサクサクといっぱいにしたい"という胃袋ドリームを、閉じた袋の中身を見知らぬ誰かが一銭も金を払わず、金を払った俺に何一つ謝罪もなく、ぐっしゃぐしゃの粉々にしやがったんだ!
この怒りをぶつけるトコもなく、当然、店に10円のうまい棒を交換してくれというクレーマーとしての勇気もなく、俺は食べづらいまま、こぼしながら完食するしかなす術がなかったんだ。。。

俺は別に事実無縁のクレーマーをしたいわけじゃない。
でもきちんとした理由あっての正当な訴えならいいじゃないか!
俺、勇気を出せ!
男だろ、俺!
よし!今度は必ず言ってやる!

・・・いざ店へ!!

俺「ちょっと、すいませんけど!!」
店員(明らかに年下の男)「何でしょうか?お客様」
俺「やい、さっき買ったこれを見てみろ!」
店員「はい、これは下着ですが?」
俺「バカヤロー!このブリーフはゴムが伸びすぎだろうが!すぐズリ落ちるんだよ!」
店員「すいません!今すぐ交換いたします。お客様、そのブリーフのレシートを。」
俺「あ!?(・・・やばい、いつものクセでレシートを捨てた。。。)」
店員「あの、レシートを・・・」
俺「ガタガタうるせ~な~!このタコヤロ~!俺がさっき買ったって言ってんだから、それが証拠だよ!早く新品のブリーフ持ってこい!Sサイズの真っ白!」
店員「いや・・・レシートが無ければ困りますが・・・」
俺「ったくテメーみたいなイカヤローじゃ無理だ。店長呼べ!店長を!」
店員「はい、かしこまりました。すいませ~ん。店長さ~ん!」
店長(明らかにキレイな女性)「お客様、どうされましたか?」
俺「・・・や、やい!・・・あのさ・・・」
店長「はい?」
俺「このブリーフはゴムがヨレヨレなんだけれども、太った時の為にちょうどいいよ」
店長「はい?」
俺「あのさ、今日は良い天気ですね・・・」
店長「はい」
俺「また来ます。ありがとうございました。」

・・・ちっくしょ~!!
俺には無理だ。
相手が怖そうなオッチャンならもっと無理だ。
正当な理由があっても無理だ。
だから、なおさら俺には非道なクレーマーなんて絶対なれない!

でも頼りない俺になれる可能性があるとすれば、ダスティン・ホフマンの「クレイマー・クレイマー」くらいだ。