デジタル

今は世の中当たり前になったデジタル化。
テレビもカメラも猫も杓子もデジタル祭りでございます。
デジタル君のおかげで大自然のすばらしさをきめ細かく鮮やかに写してくれたり、様々な画像オプションも楽しめるようになった。

そこでデジタル君。今日は君に腹を割って伝えたいことがあるんだ。
最近、君のおかげで女性がデジタルカメラで極めて鮮明に写った自分のフェイスを改めて見て慌ててお肌グッズを買い求めたりエステに向かう人が急増してるらしいんだよ。

デジタル君、君はまじめ過ぎるのか、それとも意地悪なのか？
昔なら化粧で消えてた毛穴なんかが、君のおかげで写真になるとバッチリ毛穴の中まで写してくれているんだよ。
そんなことしてくれて誰が得するんだよ。そこに現実なんて要らないんだよ。

皆で楽しく過ごしたキャンプやパーティーでの集合写真を渡す時、アップ写真だと、ついこっちが気を遣うことになってんだよ。素敵な思い出なのに何だか切ないよ。
料理しない人に知らずに料理本を渡してしまった時みたいな変な雰囲気になっちゃうんだからな。

デジタル君、もし技術の進歩を気取るなら、そこは空気を読んで、女性のフェイスをよりキレイに見せてくれてこそ技術革新でしょ。
例えば、勝手に唇に潤い十分のリップを塗ってくれたり、ほっぺに優しいピンクのチークを入れてくれたり、髪にお姫様みたいなキューティクルを与えてくれたり、半目の人には少女マンガくらいのビッグアイズにしてよ。
君次第で、世の中良くも悪くもなるんだからね。

デジタル君、これからはそこんトコ頼みますよ。
あと、俺がテレビ番組に出てる時はいつもテンパリまくって目が泳いでいるからモザイク入れといてね。