毎日、歩く道路は、いつの間にか当たり前になり、初めて歩いた時の新鮮さや感動や興奮は忘れてしまっているものだ。
そこに咲く花や、そこを通る度に挨拶をしあう人達。
いつしかそれが何気ないものに変わってしまう。当たり前という慣れは全くもって恐ろしいものだ。
親は子供である俺の健康を常に気遣ってくれて、どんなに少ないテレビの出演でもビデオに録って、何度も繰り返し観てくれている。
友人達も共に笑い悲しみをも分かち合ってくれる。
色んな人が俺を心の片隅に置いてくれて、時間を割いてくれたり助けてくれる。時には犠牲になってくれることも辞さない。
こんな広い世界で出会い、何かの縁でつながり、そしてこれからもそうであろう人達に俺はいつしか感謝の気持ちを忘れてしまっていたかもしれない。
そんな両親・友人・そして日常を共にする人達に俺は「ありがとう」と何度言ってこれただろう。
俺の記憶の中ではほとんど無いに等しい。
毎日を当たり前と思わず、「ありがとう」その一言が言える人間でいたい。