同居については深く考えていませんでした。 | こっちにいらっしゃい

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春と秋に挟まれた季節の夏になると、青い空と強い日差しを二列に互生した、子供の手のひらサイズと大人の手のひらサイズの、そんなケヤキの葉身が日かげの空間を醸し出してくれる。ときおり一斉に始まるセミの合唱が耳を突く‥‥。

古い話ですが結婚したときは、

正章さんの両親と同居していました。

四人家族でした。

 

わたし達の部屋は二階の六畳間でした。

お手洗いが階段の下にありました。

夏は問題なかったのですが、

冬は寒くて結構たいへんでした。

 

それと階段に明かりがなくて、

何度か足を踏む外したこともあります。

でも大丈夫でした。

わたしのお尻には結構肉がついていましたから

クッションになっていました。

 同居については深く考えていませんでした。

愛する正章さんの両親を

愛するのは嫁として当然と思っていました。

でもそう思えたのは最初の三ヶ月まででした。

 嫁の立場になった途端、

アレコレと意地悪や嫌がらせが始まりました。

気がつくと正章さんを好きでも、

お義母さんを家族だと思いたくない。

そんな気持ちになっていました。

 

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