先日、中学1年生のS君という男の子から、学校の授業で未婚化・晩婚化問題について調べているので、「30代未婚男」の本について、取材させてほしいという連絡がありました。

まずそのメールが「担任の先生?本人?」というほどしっかりしていてびっくりしたのですが、あってさらにびっくりしました。


事前に本をよく読んであり、ある程度未婚・晩婚問題についての知識をもとに、的を得た質問を受けました。さらに驚いたのは、

「たとえばスウェーデンは出生率が高いのですが、国が、育児休業中の女性のお給料の8割を負担するから、育児休業とってもあまりデメリットがない」といったようなことを話したときに、

「でも、日本とスウェーデンは、人口が違うのでできないですよね」

という言葉が返ってきたのである。


おおー。

大人と話していても、そういった返答が返ってくるとは限らないので、感心してしまった。ココアなんか出してしまって、申し訳ない・・・。


で、聞けば彼のいる私立のK中学では、「社会科」という授業があるのだが、そこでは、それぞれが新聞検索などから今社会で起きていることについてテーマを決めて、必ず「誰かに取材」して、その内容についてレポートする、という授業があるらしい。さらに、中学3年生になると、「卒論」なるものがあり、こうした方法で取材をしてあるテーマについて50枚書くそうな・・・。


「お友達はどんなことをテーマにしているの?」

「そうですね、市町村合併とか、裁判員制度とか・・・あと電化製品に関する何か法律がありますよね?あれについてとか・・・」


これはもう、すごいレベルの高いキャリア教育だ・・・。おそらく、もともとある程度の力を持った中学生だからこそできるのだとは思うが、こうした「社会科」の授業を3年間続け、卒論を書き終えた彼らには「社会に出てから必要とされる基礎力」が、すごい勢いでついていくだろうな・・・。私立と公立で差がつくというのは、こういった点でもそうなのかもしれない。K中学に俄然興味がわいてきた。今度、機会があったら、こちらからインタビューにいきたいぐらいだ。


その後世間話として、中学1年だし、(K中学は有名中学だし)受験大変だったでしょう、とS君に聞くと、

「まわりの人は毎日塾に行ったりして大変そうでした。僕は最後の半年しか行かなかったですから」

という。どうやって勉強してたのかと聞くと

「受験に出る問題は、どんな問題がでるかは問題集とかみればわかるじゃないですか。だから、そういった問題をできるように自分で勉強しました」


つまり、小学生の時から、課題解決能力がとっても高かったのね。

目の前にある受験という課題に対して、何をどうすればいいかわかっていて計画して実行する。

そんなS君だからこそ、K中学のこうした教育方法がぴったりとはまっているのかもしれない。


・・・しかし、いつもくちうるさく長男にあれこれ言っているけど、あと2年後に、自分からそうやって自主的に考えて勉強するようになるにはどうしたらいんだろうねえ・・・。いつまでも口うるさくああしろこうしろ言っていると、自主的にやらなくなってしまいそうだなあ・・・。


とにかく、こちらこそ勉強になりました・・・な出来事でした。