30代未婚男
¥740
株式会社 ビーケーワン

発売から3ヶ月経ち、おかげさまで、3刷りときのうNHK出版のスーパー編集者様より連絡がありました。

1万人以上の人に読んでいただけているという実感がなかなか湧きませんが、この本を読んで、今までなんとなく踏み出せなかった一歩を(たとえそれが小さな一歩でも)踏み出した人がいたらいいな、というそもそもの私の目的が少しでも達成できていたらいいな、と思うのですが。

誰かの背中をぽんと押すことはできたでしょうか・・・。


「結婚できない男」のドラマを見ているときに、私に湧いた感情は、阿部ちゃん演じる男性の1人暮らしの生活を「ああーーーうらやましい」と思う気持ちでした。学生時代の友人や会社でバリバリやっていた頃の知人で、久々に会ったりする人は、私が子ども3人いるという事実に

「ええ!」

と驚きます。

どちらかというと私は、仕事に突っ走り、がんがん仕事をしていくタイプだと思われていたし、実際にそうでした。

自分でも、今のような子ども3人の人生も、仕事仕事で結婚もせずにばりばりと働く人生も、どっちもありだったなあと、阿部ちゃんのドラマを見てしみじみ思いました。すごくマイペースで、自分の生活リズムを壊されることがとても嫌で、付き合っている人が毎日電話してくるなんていうのは「面倒くさい」という独身時代、自分は結婚なんて無理、ましてや子育てなんて・・・という想いが強かったです。気が強くて、いわゆる「男勝り」な私を結婚相手に選んでくれるような男性がいるとは、あまり思えなかったというのもあります。

結婚すると言った時に母は

「あなたが結婚するって聞いたら、親戚みんなびっくりするわ!」と言ったのですが、

「本当だよね」

と答えた私でした。

また、さらに母は初めてだんなを紹介したときに

「本当にこの子でいいんですか?」

と言って、

「N君(だんな)を不安にさせてどうする!」

と父に怒られていました。


それでも、結婚して、子どもを3人持ったのには、本当に、これといった理由は一つもないように思います。なにか大きな分岐点があったわけでもなく、小さな選択を重ねてきた結果、今があります。ただ、その選択は、その都度真剣に悩み考えて出したものです。そして、多少決めきれないときには、「行動する」方に進んできたように思います。


結婚生活やら、子育てやら、たしかに面倒だったり、特に3歳半までの子育ては、冷静さとは程遠い苦労の道のりではありますが、その何倍も得るものがあるように感じるこのごろです。特に、9歳、6歳の上の2人といろいろな会話をしていると、こちらがはっとするような気づきを得ることも多いです。


野球の試合やら、運動会やらが続いて燃え尽きたのか、きのう長男が珍しく学校で具合が悪くなりました。おとといは、振り替え休日で一日1人がかわいそうで午後休みをとり、きのうも午後休む事となりました。保健室に迎えに行くと長男が

「二日も、お休みさせちゃったね・・・」

とぽつり。

「大丈夫だよ。おうちでお仕事できるように持ってきたから」

と答えました。

ああ、そんな気を遣わせてしまっているのかとう反省とともに、思いやりのある子に育ってくれているなあとじーんときました。

こうした得がたい想いは結婚して家族を持ってからこそのことだなあとしみじみ想います。


・・・もちろん押し付ける気は毛頭ありませんが、そんな人生も、なかなかいいものですよ。