佐藤優『自壊する帝国』を読み終わった。5日で読んだことになるのかな?
やはり今回もサーシャさんの印象が強い。

神通力とでも言うべきか、深い知識と広い視野が基礎としてあれば、ここまで精度の高い未来予測が可能となるのか?
なるほど、確かに「天才」だったのだろう。

あとアルクスニスさん、ポローシンさん、シュベードさん辺りも印象に残ったかな。
まあとはいえ、今作の「視点人物」である佐藤さんだからこそ、この「物語」は描けたのだろう。
ソ連(ロシア)の大使館を拠点に現場で活動する外交官として、まずはモスクワ大学で、自らの専門知識と好奇心だけを携えて舞台を拡大していく。
そういえば、「外交官には好奇心が必要だ」と、いくつかの外交本で読んだ気がする。
そのことが本書で分かりやすく描かれていた、とも言えるであろう。

当時のソ連の社会とか、様々なロシア人の生き様や人間模様、あるいは「歴史的な国際的大事件」を内側から観察し、何が起きているのかこれからどうなるのか分からない状況でリアルタイムで判断・行動しなければならない大変さを疑似体験できたりとか、まあ色々見どころはあるわけだけど……。

かなりの良書なのは間違いないと思う。
今回も良い読書をした。良い時間を過ごした。暫く余韻が続いた。
時間を置いて、また読み返したい。