1973年6月29日、ドイツのクラブ「DOMICILE」で敢行されたライブの記録。当時世界的にも注目を集めていた日野クインテットの最高の一瞬を切り取ったアルバムである。
日野オリジナルの中でも最もよく知られた名曲「アローン、アローン・アンド・アローン」はブルーノート盤で盟友ブルー・ミッチェルに取り上げられ世界的にも有名になったが、本作でも冒頭に収録され新たな解釈と情熱を持って吹き込まれている。がっしりと聴く側を包み込んで離さない強さが、ここには充満している。振り絞るように奏でられるTrumpetが胸に突き刺さり、観客はノックアウトされたに違いない。メンバー全員がドイツの観客を煽り立てるかのような壮絶な演奏を繰り広げている。安易な4ビートではなく、自由度の高い演奏で観客を惹きつけているところも、彼らの実力の証明であり、凄いこと。ゲルマンの地で、大和魂が炸裂した、日本ジャズ史に永遠に刻まれるべき傑作。

日野皓正 : Trumpet 
日野元彦 : Drums 
益田幹夫 : Piano 
池田芳夫 : Bass 
今村佑司 : Percussion

Disc: 1
Alone Alone and Alone
Taro's Mood
Black Daffodil
Predawn
Disc: 2
Stella by Starlight
Cycle Circle
Lullabye