「これでいい?」
「いや」
「それじゃあ、こうしたら」
「いや」
「困ったな。それじゃあ、こうしよう」
「いや」
こんな会話が続いたら、さすがにカーッと頭に血が上ってしまいます
しかし、女性の「ノー」は男性の本音を聞き出す常套手段である、ということを知っていますか?
気の小さい人は、交渉の席などでもなかなか「ノー」といえずに苦労しています。
しかし、交渉上手な人が共通して指摘するのは、「交渉はNoから始まる」ということです。
旧ソ連で長い間外交手腕を発揮したグロムイコ外相は、国連の場で反対を続けたので、ミスター・ニエットというあだ名で呼ばれました。
ニエットとは、ロシア語の「No」を意味する言葉です。
「相手に話させて、自分はできる限り反対し続ける」ことで、リスク(危険性)が最小限になるというのです。
これが、ソ連流ニエットの交渉術なのです。
「ノー」というと、相手は別の手の内を見せなくてはならなくなります。
こうして、「ノー」を繰り返していると、やがて相手の本音が見えてくるというわけです
女性の「ノー」は、反対のための「ノー」ではなく、自分が損しないかどうかを見極めるための「ノー」であると心得ましょう。