名前はご存知? 高島嘉右衛門の占例 | 開運は自分を知ることから始まる 羽田一彦のブログ

名前はご存知? 高島嘉右衛門の占例

高島嘉右衛門は「呑象(どんしょう)」の雅号もあり、今でも高島の名前があちこちで使われているほどの易の大家で、明治時代の元勲達の密かなブレーンとして、または事業家として活躍された方です。

 

日本では横浜で初めてガス燈が設置されたことは広く知られていますが、この事業を手がけたのも高島嘉右衛門でした。

 

日韓併合した時、朝鮮に行こうとする伊藤博文に対して、大変危険な易が出たから重々用心しなさいと警告をしたとか、日露戦争の際に、バルチック艦隊が北から来るのか南から来るのかを問われ、南、つまり対馬海峡の方からやって来ると易を出して判断したのは有名な話ですが、こういった大局に関係する事だけでなく、庶民の日常生活に関して出した易も占例として残っています。

 

そんな、彼が残した実占例の中に、とても興味深いものを見つけたので、周易の使い方の一つの見本としてこれを紹介させていただきます。

 

 

明治時代のことですが、とある商家の小僧に金を銀行に預けて来るように言いつけたところ、いつまでも帰ってこない。

おかしいと思って主人が銀行に問い合わせてみたら、銀行には来ていないと言う。

そこで嘉右衛門に依頼が来たので、早速易を立ててみたら、

 

雷山小過 九三

 

を得たそうです。

 

周易の知識がある方ならご理解いただけると思いますが、これは危険を暗示していますが、嘉右衛門の解説が見事でした。

 

この易は震=大人が艮=若い男の上に位置しています。

 

 

これを嘉右衛門は

 

下の艮はこの小僧であり、上の震は中年の男。いい年をした男が若い男の上に乗って動く(震の作用)のは男色の形である。

易経の言葉によれば「過ぎずしてこれを防ぐ。従って或はこれを損なう」と書いてあります。

この言葉の解釈を嘉右衛門は、前もって男色を防がなかったのが禍の元だった。

また雷山小過には鳥が飛び立った形があり、出奔したとみられる。飛び立ったが九三は翼ではなく胴体に当たる場所なので遠くへは出かけられない。

 

と言うものでした。

 

 

さらに加えて、

 

この九三(下から3番目のポジション)から三つ目に当たる六五(下から5番目のポジション)には「公よくして彼の穴にあるを取る」と書いてあるから、公(警察)の力によって三日目には行方がわかるはずだ。

 

と判断しています。

 

 

そして、この事件の結果は、嘉右衛門の判断の通りでした。

 

この小僧と犯人とは同郷のよしみで行き来があったが、犯人は中年の性倒錯者で小僧と男色関係にあった。この事件のあった朝、何気なく立ち寄った小僧と男色行為を行なった後で大金をもっているのを知って、にわかに殺意を起こして首を締めた。

しかし、この遺体の始末に困って小僧の遺体を米櫃の中に放り込んでおいた。

その後、隣の女房に留守を頼んで遊びに行ってしまった。そこへ馴染みの米屋がやってきて米櫃を開けてみたところ、この小僧の遺体を発見して警察に届けた。

 

と言うことでした。

 

易の言葉、そして形を柔軟に使って見事な判断をされているのはさすがです。

 

私もこんな目の覚めるような判断がしてみたいものです。