澤風大過上六の効用

今日は千葉市美術館で開催されている、イギリスの陶芸家ルーシー・リーの展覧会の最終日。
昨日までは行くつもりだったのですが、遅い朝食を摂った後、雨もしとしと降っているし、千葉なんて初めてだしけっこう遠いし、止めようかな~、と思ったのです。
が、迷った時は易に聞くのが私の習わし。
易も止めておけ、って言うんじゃないかなと思って立筮してみたら、なんと!
澤風大過 上六
とのこと。
え~、なにもそんなに強く言わなくても・・・
とは思ったのですが、そこまで言うなら行かねばならんでしょう。
澤風大過上六は、「過ぎて渉る、頂きを滅す。凶なり。咎なし」という爻辞が書かれています。
私の師匠、横井伯典はよく「特攻隊」と表現しておりました。
損得を考えずにやるしかない、という意味です。
そこで、電車を乗り継いで初めての千葉駅。そこから徒歩で10分くらい歩いて千葉市美術館へ。

まず驚いたのは、最終日だからかもしれませんが、一部の好事家意外には、さほど有名な方でも無いのに、ましてや雨の日に想像以上に多くの観客がいたこと。
それこそ老若男女、年齢もさまざまな人達が熱心にこの陶芸家の作品を見つめていました。
私もそれほど詳しく知っていたわけではないし、これまであまり多くの作品も見たことが無かったし、ましてや実物は今回初めてでした。
が・・・澤風大過上六の意味が、彼女の作品を見始めると、すぐに理解できました。
彼女はウイーン生まれのユダヤ人で、戦争中にイギリスに亡命したそうですが、西洋人でありながら東洋にも通じるような形もあり、また彼女独特の釉薬の使い方もあり、それがまるであの「曜変天目」を連想させるようなものもあり、でぐいぐいと引き込まれてしまったのです。
おそらく、易にあれほど強く言われなければ出かけなかっただろうし、となると、この素晴らしい作品を見ることも無かったでしょう。
普段、特に運勢などに澤風大過上六なんぞが出たら、それはそれはイヤ~な気分になるでしょうが、こんな効用もあるんですね。
これもまた、易の妙味でしょうか。