『せせらぎ』~ヒトコトニコモルイノチ 19~
『せせらぎ』
耳を澄ますと聴こえてくる
音がある。
それは草の寝息。
それは風の空声。
いつもこの世界のどこかで
音がなっている。
気が付くとそれらは
僕たちの心の片隅の
どこかに いつのまにか
住んでいて
僕たちはそれを ときどき
思い出したように
奥のほうから
引っ張り出してきては
もう一度ココロの中で
反芻して楽しむような
そんな
聞き方をしている。
むかしあなたがどこかの
小川からうけとった
”せせらぎ”は
今、ココロの
どの部分で 音を立てて
いますか。
目をとじて 存在をかんじ
耳をかたむけ その声に身を任せ
冷たくてきもちいい水を
そっと 手でくみとる。
気が付くと
コロコロとわらう
ぼくがいる。
せせらぎは 田舎の
山の奥にあるだけじゃなく
こんな雑多な都会の
片隅にも
きっと そんざいする。
僕たちは それを
日々、思い出すキモチを
つい 忘れてしまうけれど。
今日はちょっと
忙しい毎日のなかの時間を
少しだけ止めて
ココロのせせらぎを
聞いてみようかな。
もしかしたらそこには
気が付いてなかった
発見が たくさんあるかも
しれない。
そして
あなたのなかの
せせらぎを
どうぞ大切にね。
『せせらぎ』。
あなたのなかに
ながれている いのちの
『せせらぎ』。
