夜学通い社会人だった頃の仕事場周辺にいる
それは東京タワーの足元にあるビルのレコスタだった

でもその当時の建物は消えていて
代わりに、窓がひとつもない 打ちっぱなしコンクリートで出来た、箱のような建物が建っていた
出入口とおぼしきドアを開けるのに不思議な形状の鍵が必要だが それの居場所が不明だ

在りし日の面影が欠片も無いその場所で、私はただ立っていた


目が覚めた


雨の夜の渋谷 某ライブハウス
私はバンドさんへの差し入れを小分けにしている
でもライブはとうに終了していて、バンドさんの殆どはいない
雨のせいかかなり寒く、
震えながら1人よくわからない作業をしていた

外は渋谷とは思えないほど暗く、雨足の強いなか 身体がずぶ濡れになりながら
タクシーを探していた


目が覚めた


茜色の空を、地上二十階あたりの住まいから眺めている

脇ではテレビが緊急特番を流し続けている
テレビ特有のヘルツの電波が、ピーンと耳の後ろを通過している

賑やかというか騒然というか…ニュースはその茜色の空について語っている

そう、あの茜色は朝焼けでも夕焼けでもない

人類の生命を脅かす なにか人為的なものが引き起こした脅威の色なんだ

でももう手のつけようが無い
仕方ない
呆然と眺めているしかない

茜色の地平線とそこから高く拡がる茜色の空は まるで泣いているようにうるんでいた

私は「かわいそうに」と呟いた




目が覚めた
完全覚醒
夢を見ました
都内で凄いテロが起きる夢

犯人は単独犯ですが
乱射しながら、数十キロ先まで襲ってくる

私は必死に逃げたんだけど
…逃げても 逃げても

遠くで爆撃のような音と
こだまするような沢山の悲鳴と
えもいわれぬ狂気の気配と

それらが常に背後に迫ってくる

都内から横浜へ逃げたのに
その恐怖は背中にしがみついていて

私はどうやら乱射に巻き込まれる運命らしくて

なかば諦めながら
自分の最後の姿を想像していた


…目が覚めて

ちょっと堕ちているところに

メール

…ご迷惑かけていたことを知り、

益々堕ちる



「死んで償え」



内なる声が見せた夢かもしれない
カラカラに乾いた道を歩いている
弟が何処かにいるらしい
見上げた空は青空ではないのに
やたら明るく眩しかった
目の前はずぅっと直線の道で
等間隔で電柱が連なっていく
弟が見つからない
手元の携帯は使えない
途方もない

…目が覚める

どこか工場のような街
親戚のおばちゃんちに向かっているらしい
左向こうの空がイヤに重たい灰色
暫く見ていると
それは渦をなし
まるで巨大なろくろが高速回転しているような形になった
「ハリケーンだ」
誰かが叫んだ
私は携帯のムービーにそれを収めようとした
ハリケーンはまだ遠くにあるようだった が
本当はすぐそば五分も経たぬうちに巻き込まれる場所まで来ていた
とっさにそばの岩影に身を潜めたが
無意味なことだと悟っていた

…目が覚める

畑のど真ん中に八世帯住めるアパートが建っていて
私は二階の住人だった
そこへ知人が彼女らしき人を連れて訪ねてきて
台所で料理を始めた
鯖くらいの大きさの魚をそのままフライにしている
私は取り皿がなくて困っていた
そばで弟が拗ねていた

…目が覚める

近所の坂道を自転車をこぎながら登っている
でも容易ではない
道幅が狭いのに交通量が多く
バス通りにもなっている
私はその坂を登りながら
なぜか好きな人の事を思っている
ただ、どんなに思っても脳内にその人が現れない
名前も姿も解るのに
脳内で形成されない
悲しくて悲しくて泣きそうになる
お構い無しにどんどん狭くなっていく脳内の思考回路
比例するように脳が重くなり
その分
自転車も重くなっていった



…完全に目が覚めた