聖書はここ最近結婚相手がクリスチャンなので教会に行くたびに目に触れていたが、内容についてはなんとなくしかわかりませんでした。
しかしこの本を読むと聖書はとても人間味にあふれた話であることに気づかされました。
まずイエスが生涯を通して伝えたかったテーマが目を惹きます。
それは「愛の神の存在をどのように証明し、神の愛をどのように知らせるか」というものでした。
それまでの旧約聖書の神の時代が厳格なる父のイメージだとすれば、イエスの示す神は愛あふれる母のイメージ。
しかし苛酷な現実の中で神の愛をどのようにつかめるかにイエスは生涯を賭したのでした。
しかしイエスの弟子たちは師の教えに対してあまりにも無自覚。
さらに師イエスが政府に目をつけられるとユダだけでなく皆が師を裏切ってしまうのです。
ですがこの弟子がイエスの死後、人生をかけて師の教えを貫く。
「弱虫、卑怯者、駄目人間がどのようにして強い信仰の人たりえたか」(p104)
この作品で著者が何度も口にしていますが、聖書の醍醐味はここにあるのです。
そしてそのきっかけになったのがペテロの師に対する裏切りのシーン。
政府要人の前でイエスを信じていないと告白するこのシーンの背景にあることを、著者が読みとくと、このシーンに男の生き様が見えてきて、とても印象深く心に映るのでした。
聖書を深く読み解き、イエスの人生と、それをとりまく弟子たちの姿を、より情感をもって教えてくれる名著でした。
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