※この小説は多重投稿しています、なのであらかじめご了承ください






1話 3・2・1でマッシブマッシブ



―――西暦2XXX年
世界はモンスターで溢れていた。
ゴーレム、ゴブリン、スライム、オーク、変形ロボ、獣人、等等千差万別不特定多数EXT

人はそんなモンスターと契約しテイマーとなって戦い合っていた、
その名も「モンスター対決」

これはそんな契約者と契約モンスターによる絆と戦いの物語である

・・・だといいな・・・













僕の今見ている光景を率直に言うと『ライオンとデカい顔が戦っている。』
なにを言ってるかわからないと思うが僕も何が起こっているのか今ひとつわかっていない・・・

ライオンは肌、体毛、鬣まで全体的に青白く、後ろに人魚の下半身のような尻尾が生えており、その背に僕の親友村雨疾風が乗っている。
どういう原理かわからないけど、辞典並みに厚い本みたいなのが開いた状態で
疾風の胸の位置まで宙に浮いて、見えない手が持ってるかのように疾風が動けばそれにあわせて宙で動いている。

相手は大きくふくよかな丸顔に両側に腕と顎下に足が二本あるよくわからない形状をしていて、両足、両方の二の腕にそれぞれ4連装のミサイルポットをマウント、右手でガトリングガンをバズーカみたいに肩にかついで軍隊みたいな武装をしてる、
そのすぐ後ろ、間隔がかなりある位置であるが契約者である対戦相手の女子(名前は何だっけ)が『顔』に指示を出している。こちらも胸の位置まで厚い本みたいなのが開いた状態で宙に浮いている。
「そこだ、パンチッ!その場所でバルカン連射する、あーもーなにやってんだちゃんと狙えぇー、今だミサイルはっしゃあああー!!」

素手の左拳もガトリングもミサイルの雨も人を乗せているにもかかわらず流れるようにことごとくライオンは除け続ける。
隙あらばその爪、牙で噛みつき、引っ掻いて攻撃するが、硬いためか全く聞いていない。
それどころか伏せながら痛そうに引っ掻いた前脚をもう片方の前脚で押さえてるような気がした。

「主、ソロソロコレノ弾ガナクナル、今スグ補充ヲ求トメタイ」
体の向きを少しそらし、肩に担いだガトリングを軽く上下に揺らしながらカラの缶に口を当ててしゃべっているかのような声で『顔』は言った。

「お前それは弾の装填ができないやつだ、だから弾切れしてから新しいの用意してやるからなくなったら言いな」
『顔』は頷く、軽く2歩進んでガトリングの残りをライオンと疾風に向けて連射した。回転する銃身、火花が飛び散り地面に弾丸がいくつも高速で被弾する。
あたりを砂埃が舞い疾風たちを完全に覆い隠す。
ライオンのスタスタと地面を蹴る音がした、疾風も乗っている、どっちも無事だ、良かった。
そう思いながら僕は右の甲でオデコを拭った。
「弾ガナクナッタ、新シイノヲ頼ム」
『顔』がそう言いながらガトリングを投げ捨てると地面で氷が溶けてなくなるように消滅し、女子は人差し指でファイルのページを滑らせる動作をする。光った長方形が飛び出してカード型でポケットに入るサイズだったが、形が変わり棒に四枚
羽がついたまるで金属的なトンボになった。 

羽をたたみ、尾からグリップが出現してそれを『顔』が持つと気がつけばバズーカ砲のようになっていた。
奥のタンクのようなものが下に突き出ていてフックのように引っ掛けて肩に担いでいる。
「亜武装化合(アブソウバァ)-ドラゴンフライだ、弾数は少ないが破壊力は保証するぜい」
それでは早速と言わんばかりにそのバズーカを構えて、ライオン達に向ける、それに当たるまいと疾風はライオンを動かす、
相手を追いかけるように旋回しながら『顔』が引き金を引くとミサイルが飛び出してライオンも振り切ろうとするがミサイルは軌道修正して走るライオンを追いかけてるように見える。
疾風は後ろを向きながら
「なッ!ホーミングミサイルかよー、聞いてないぞ」
「ああ、多少のホーミング機能付きだ、」
全力疾走する、だがミサイルを振り切ることができない「どうすればいい」・・・多分疾風はそんなことを考えてるのだろうか
するとライオンが動きを止めた。
危ないッ!このままでは当たる
目標に向かって来るミサイルを疾風とライオンは凝視し、当たるギリギリで疾風は叫んだ
「いまだ!マーライオンッ!走れ!」
力いっぱいジャンプしミサイルは地面に当たって爆発する、直撃しなかったものの爆風に巻き込まれ前のめりに吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。
幸い体を丸めて両手で頭を抱えこんでたのでなんとか立ち上がれるくらいの軽傷ですんでるみたいだ。
ライオンのほうは高いところから落ちる野良猫のように器用に宙返りしながらきれいに前脚から着地した。
「ぐぬぬ・・・直撃は避けたかチクショウめぇ」
「ぐぬぬはこっちだッ!・・・痛てぇな、こんなミサイルを除け続けなきゃと思うと骨が折れる、もとい砕けちまう」
ライオンは主を気づかうかのように寄り添い、疾風は 痛んだ肘をさすりながらもそれを支えによれよれの足を動かしなんとか乗り直す。
それにあわせるかのように女子は人差し指を立てた腕を目一杯疾風たちの前に突き出した
「おうし!オルメッカッ、追尾ミサイル第二弾だー」
「了解」
指示を受けて、『顔』が引き金を引いて
またミサイルが発射される
「じゃあ俺はこのモンスターでガードだ」
疾風もまたモンスターを呼び出す。手にする大きな盾でミサイルを受け、防ぐが、盾を砕き、本体を貫通し消滅した。
女子の指を指しながらの「ザーコ」と言う言葉を聞き流してまた対策をかんがえなければならないだろう