男 兵児帯 結び方 (自分の場合)
女性にとって兵児帯やファブリック帯の人気が高まる一方で、着物メンズのそれは・・・。
男の兵児帯については、かの早坂伊織氏もあまり肯定的な書き方はしていません。
それは、既存のものに対しての、あくまで個人的なご感想だろうとは思いますが、いやいや。
まだ「兵児帯」にも様々な可能性が秘められていると、僕は考えているわけです。
兵児帯の読み方は「へこおび」です。一応、書いておきますね。
一般の兵児帯は幅も広く、素材としては絹・化繊などがメインです。
長さは長いもの短いものそれぞれありまして、紺・茶・緑・黒など、カラーラインナップも様々。
端に「絞り」が入れられているものいないもの、決して選択肢が少ないわけではありません。
お部屋でのくつろぎ着、近所に散歩に出るときの使用。浴衣のときに締める等々、カジュアルな
用途がメインです。かつては軍装として白い帯が使用されていたという話もあります。
以下に自分が使っている綿ちぢみ兵児帯を載せてみました。
角帯と同じように帯結びをしようとしているところです。
ちゃちゃっとやっていますので、少々見栄えがしないところはご勘弁の程を。
画像左上より、テを作っています。角帯の倍くらいは幅がありますので、半分に折ったところから、さらに
その半分に折りまして「テ」としています。
画像左下は半分に折った幅。大体角帯くらいの幅になりますが、調整は結構自由度が高いです。
通常の兵児帯は幅を4分の1に折って巻くのがよくあるパターンですが、角帯のようにテとタレを作って
結ぶとすれば、テの部分は実に元の幅の8分の1になり、まとまりが付きにくいです。
角帯と同じように巻いてきて、結び目を作ります。
テの部分を帯に突っ込めば(画像右上)・・・、そこからは(画像中段右、下段左右)何とでも。
椅子に腰掛け、背中に当るゴロゴロを避けるならば、浪人結びくらいが適当かと思います。
もちろん、兵児帯には結び目をしっかり作らず、端を巻いた帯にかい込む結び方もあり、片輪や両輪に
限って締めていた方には是非お試しいただきたいものです。
伸び縮みと手軽さが身上の兵児帯です。
あまりマイナスポイントを探すよりも、使い勝手を研究してみることもアリかなと思っています。
何せ学生の時分は兵児帯大好きでした。ゆるい感じがたまりません。
しかしながら、あのヒラヒラが使いにくいという思いが無かったわけではありませんので、
こうしたある程度ハリとコシがあって、洗える兵児帯をお届けするようになりました。
勿論、慣れないうちは自由自在に締めて!というわけにもいきませんが、角帯にすっかり馴染めた
方ならどなたでも格好良く使いこなせるものと思います。
グルグルッ、ポン☆
で締めてしまってもそんなに支障はありません。
結び目を作る締め方の時に、ちょこっとだけキュウッと締めるようにするのがコツですが。
あとは力士のように幅を広く取って結んでみるのも、なかなか面白いスタイルになります。
お腹周りのある方は、ちょっと素敵過ぎるかも。ホレボレです。
綿ちぢみ兵児帯。僕は多分、秋も、冬も締めると思います。
「着物の人が増えますように。」
木綿着物!染織こだまS
児玉健作