「大林宣彦監督作品をみんなで観る上映会」

●4/17(土)
●会場:長岡市立劇場大ホール
●開場 10:00
  映画「ふたり」上映  10:30~13:00
  大林宣彦監督トーク 13:10~13:50
  映画「なごり雪」上映 14:20~16:10


もう、先月のことになりましたが…。

行ってきました「大林監督作品をみんなで観る上映会」。
まるまる1日大林映画に浸れる!って思ったら前日からウキウキ。
協力金を受付でお支払いしたら、こんなステキなピンバッジをいただきました。
わーい!

$音彩(ねいろ)

















ロビーには大林映画のポスターが所狭しと展示してあり、そばのモニターには長岡市長と大林監督の対談映像が流されていた。
その中の監督の言葉「映画はなくても生きていけるけど、映画は人生を豊かにする。」って言葉が胸にズンと響いた。

映画「ふたり」。
もしかしたらスクリーンで観るのは初めてかもしれない。
始まってすぐ、美加が歌う「草の想い」から涙が溢れ出た。
千津子の事故死シーンは辛くて正視出来なかった。
美加が次々襲う不幸を乗り越え新しい自分を発見していく過程がこの映画の軸なのだろうけど、
その時々に現れる千津子のさびしそうな顔と涙がいつも胸をつらぬいた。
美加にとっては辛い出来事でもそれは未来に続く道。
それを見守る千津子にとってはあったはずの未来、あるのは全て終わった過去の思い出。
その対比にいつもいつも涙が止まらなかった。
これを書いていても涙が出てくる。
美加のひとことで別れを決意した千津子と鏡越しに手を合わせる美加。
私にとってはこの映画でいちばん好きなシーン。
美しすぎて哀しすぎて胸にこびりついた。
今改めてスクリーンで観れたことに心から感謝だ。

「ふたり」が終わって間をおかずに大林監督登場。
ほぼ1時間近く立ったままで丁寧にいつものやわらかい口調でたくさんのことを話して下さった。
長岡花火を題材にしたこの空の花」の本が完成したこと、完成した時は新潟にいたこと。
「ふたり」に関しては、「草の想い」は当初石田ひかりが歌うはずだったが、彼女は主役に専念するため取り止めになり、作詞の自分と作曲の久石譲におはちがまわってきたこと、久石さん曰く「プロは30回くらい練習すれば上手くなるけど、素人は最初のテイクがイチバンいい」と言い、自分はしっかり練習してきたことなど。
「なごり雪」は、舞台となった大分県の臼杵市は昔からずっと風景が変わらない町。景色が変わると風の流れも変わり、それにともなってひとの心も変わる、そうならないためにこの町はずっと昔ながらの風景を保ってきたこと、昨日偶然にも伊勢正三のライブが新潟であり監督も参加したこと、その席で「この空の花」の主題歌を作ってくれとお願いしたこと、伊勢さんもその言葉にうれし泣きして、これまでの人生で一番嬉しい出来事だと言ったこと、また、先日久石譲さんから手紙をいただいて「この空の花」の音楽を是非担当させてほしいと書いてあったこと、そんな偶然がたくさん起こったことなどなど…。
個人的には、久石さんが音楽担当!ってことに狂喜乱舞したい気持ちだった!嬉しすぎるっ!

しばらくして、奥様の大林恭子さんも登壇された。
今回の東日本大震災で被災された方たちの節度ある態度が、どれだけ日本の素晴らしさを外国に示すまたとない機会になったことか、外交というのは国と国が手を取り合って仲良くするということ、この被災者の方たちほど立派な外交官はいない、私たちはその方たちに心から感謝を捧げなければならない、という監督の言葉に胸が熱くなった。
今回の上映会には、長岡に避難されている福島の方たちも招待されていて、監督夫妻はいただいた花束を彼らに差し上げたいということで、被災者のおふたりが代表して受け取っていらっしゃいました。
席に着く時、その被災者のおひとりがそっと涙を拭うお姿を見た時、ワタシも思わずもらい泣き…。
監督ご夫妻の温かい計らいに会場がひとつになった素晴らしいワンシーンだった…。

「なごり雪」
雪子の想いが切なすぎる映画。
彼女の人生は果たして幸せだったのか。
そして、雪子だけを愛し続けた水田は、彼女のいない人生をこれからどう生きていくのか。
祐作を見送ってひとりホームで泣き崩れる水田の姿が忘れられない。
風景は何も変わらないのにひとの心は移ろっていく。
本当に大切なものを失ったあとひとは何を頼りに生きていけばいいんだろう。
失った時間はもう戻らない、そんな当たり前のことが刃のように突き刺さる映画だった。

まるまる1日大林映画に浸れた、幸せすぎる1日だった。