端的に言うとこのイラストのシーンの話です。
配信では1:47:00辺りからのシーン。
那智の離反や胡乃美の正体を知って混乱する皇成に対して胡乃美が「今の皇成はステージで何を届けたい?」と問いかけて、皇成の運命を胡乃美が肩代わりするシーンです。
このシーンは本来立って会話するシーンでしたが、この公演では「どうしたらいいか分からない」と慟哭する勢いで皇成が膝をつき、それに合わせて胡乃美も座り込んで話をします。
そして皇成から問いかけの答えを聞いた胡乃美は立ち上がり、皇成を助け起こしてステージへと送り出しました。
この「胡乃美が皇成を助け起こす」というアクションが刺さったポイント。
この後の終盤、皆の後押しを受けて胡乃美がBelieveを歌うシーンでは、トラウマを吐露してうずくまる胡乃美を皇成が助け起こし、ステージへ送り出します。
そう、前者のシーンで膝をつく芝居が増えたことで2つのシーンの動作が重なり合うわけです。
ARIARIUMの物語の中で、胡乃美と皇成の関係性は循環しています。
胡乃美のステージから想いを受け取った皇成。
皇成のステージから想いを受け取った胡乃美。
皇成を運命から解き放とうとする胡乃美。
胡乃美を運命から解き放とうとする皇成。
助け起こすという動作が互いに繰り返されたことで、この関係性がより強調されるものになったのです。
舞台は生き物。日々変化していく舞台の中で、この公演のこのシーンは特にミラクルと言っていい変化でした。