■2003/07/08 Tue  



 昨日は車が使えなかったので、久しぶりに電車で通勤した。JRの快速は、4人掛けのボックスシートで、少し混んでいたので、ぼくは通路に立っていた。窓際に座っていた中年のおっさんが、分厚く何やらいかめしい書類を鞄から出して、シャープペンシルと付箋片手に読み始めた。他の乗客は無関心で、ぼくは背後から見ているので、おっさんは気づかない。表紙は見落としたが、1頁目のタイトルは、「被害届」であった。コピーではあるが、署名と捺印がしてある。2頁目は「供述調書」であった。ぼくは、見てはならないものを見てしまったのではないかと心配になって、目をそらした(こういうところが、作家としてのぼくの弱点なんだなぁ)。こっそりディジカメででも撮影して、インターネットで公表したら、罪になるのだろうか? おっさん、推理小説じゃない本物の事件なんだから、そんな仕事を電車の中でやりなさんな。



 電車通勤は嫌いである。満員の車中で隣りで咳をされたりしたら、途中下車してトイレに入って、イソジンでうがいをしなけれりゃならない。しかし、たまには面白いこともある。ファンクラブの月例報告にも書いたことがあるが、同じJRの路線で隣りの上品なご婦人がコントラクト・ブリッジの譜を読まれていたことがあった。あのときは、感激したなぁ。しかし、電車通勤でこういう楽しい経験をすることは、めったにない。