10月24日に、尼崎と神戸を結ぶ山手幹線が全線開通する。最後の不通区間だった芦屋川の下を横断する芦屋川隧道がついに完成するからである。計画から64年、反対運動あり、大震災ありで、ほとんど頓挫しかけていた道路の完成である。夙川から神戸市東灘区までを通過する人にとっては大変便利になる。一方、芦屋川を下ってきて夙川方面や神戸方面に向かう我々としては、ほとんどメリットがない。わざわざ隧道を走る必要がないからだ。むしろ、これまで比較的静かだった芦屋駅前の通りが、2号線並みに混雑するのではないかと心配している。
 開通に先立ち、17日に隧道の一般公開があった。貴重な日曜日の午前中を潰して、見学に行った。ミーハーではないのだが、こういう後にも先にも一度しかない催しというのには触手が騒いで、溜まる仕事をさておいても行く価値があるだろうと思ってしまうのである。午前10時前に到着すると、一番乗りであった。やはりミーハーなのだろうか。
 隧道はわずか百数十メートルで、歩いても3分とかからない。車ならものの数秒であろうか。車のいない車道を歩いていて、10年ほど前の大阪天保山と南港を結ぶ天保山トンネルを連れ合いと一緒に歩いたことを思い出した。あれはたしか5キロはあって、1時間ほどかけて歩いたのだった。あの日は、国際ヨットレースのヨットが南港に到着する日で、鳴り物入りの帆船パレードもあったのだった。懐かしい日々である。大阪南港のことは、稿をあらためて書くことにしよう。
 そんな訳で、何年も続いた芦屋川駅周辺の工事もようやく終わりである。関係者は当然だろうが、我々住民もほっと一息である。



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