■2003/07/04 Fri  



 新潮社が1年前から、季刊誌「考える人」というのを出している。あまり期待をせずに1年だけ定期購読したら、案の定、面白くなかった。自分のことを軟弱者だとか人生半分降りるとか言いながら、本当は切れる頭であることを世に知らしめている人たちが、主要な執筆者であるのが、天邪鬼のぼくには気に入らない。人生半分降りるなら、大学を辞めるか、マスコミから姿を消すか、どちらかにしなさいと言いたい。
 しかし、最新号の宣伝がちょっと面白かったので、思い直して、再度定期購読をした。本日届いた2003夏号は、なかなか面白い。「粗末でみすぼらしい家」がいいですね。生物学者、三木茂夫の思い出を書いた、茂木健一郎の「思い出せない記憶」がまた面白い。過去のことが思い出せず、若い頃の自分がどんどん死んでいっているような切迫感を感じているぼくには、ちょっと共鳴するような処があった。