エルメスさん、コメントありがとうございます。橋元流で勉強されたとのこと、嬉しいかぎりです。
さて、前掲の瞬間視聴率の件、一つの仮説が浮かびましたので以下に記します。
どの時刻をとっても、面白くもないが面白くなくもない、という平凡な番組を想定する。この番組の視聴率は、番組を通じて一定であろう。しかしこれは、その番組を同一人物が見続けているということを意味しないのではないか。視聴者というのは移り気なので、つねにチャンネルを移動させたり、スイッチを切ったりしているのである。そこで、たとえばある1分間を見れば、スイッチを入れる人が100人いるがスイッチを切る人もまた100人で、全体としてその番組を見ている人の数が一定に保たれるわけである。
以上は、仮想的に考えたごく平凡な番組の場合である。つぎにある番組のある瞬間(瞬間といっても、1分間程度の幅はあるであろう)、その番組が非常に面白かったとする。すると、平凡な番組なら100人の人がスイッチを切ってしまうが、この場合、スイッチを切る人はずっと少なく10人くらいだとしよう。しかし、一方で新しくスイッチを入れる人は、番組の中身とは関係なく1分間に100人くらいはいるだろうから、結果としてこの瞬間、この番組を見ている人は、平凡な番組より90人も多くなるということになる。
じっさいには、視聴者がどの程度きまぐれにスイッチを入れたり切ったりしているのか、その辺の習性を調査せねばならないだろうが、この仮説、けっこういい線をいっているのではないでしょうか。