前の家ではムカデに悩まされた(旧ログ参照)。今夏、引っ越した家はもっと山奥なので、当然、こちらにもお出ましだろうと覚悟をしていたが、屋外で2,3匹見ただけで少し拍子抜けだった。しかし、代わりにと言うべきか、ゲジゲジの大襲来を受けた。駐車場のコンクリートの天井には、毎日10匹くらいがたむろし、屋内にも、玄関、納戸、キッチン、リビング、書斎と、所構わず毎日のようにお出でになった。
 15対の足は、ムカデよりは少ないが、その形状のグロテスクさは、ムカデが優美に見えるほどで、マンガじみてさえいる。
 ところが、毎日退治しているうちに、きわめてか弱い虫であることが分かってきた。新聞紙を丸めて叩くと、お腹がぺちゃんこにつぶれ、何本かの足が千切れて、千切れたままピクピクと長い間痙攣しているのは気味が悪いが、本人はそれでもうあっけなくくたばっているのである。
 徹底的に退治したのと寒くなってきたこともあって、最近は見かけなくなった。懐かしくなったわけではないが、昨日、百科事典を引いてみた。そうしたら、人間にはまったく無害であることがわかった。それどころか、ゴキブリやナンキン虫を駆除してくれる益虫だと書いてあるではないか。やれやれ、無益な殺生をしたものだ、ゲジゲジ供養塔でも建てねばなるまいか。
 それにしても、見かけの悪さで損をする代表だろう。同情するが、布団の中に潜り込んできたら、慌てふためいて、やっぱり叩きつぶしてしまうのだろうな。