■2003/09/04 Thu  



 テレビが面白いと思ったのは、中学校のときにはじめて我が家にやってきた当初のことだけだから、今さらテレビはつまらないと書く気もないのだが、たまたま見た今夜7時のNHKニュースは、本当につまらなかった。
 自民党の総裁選挙は、ネタ自体がくだらないから仕方ないとして、万景峰号入港については、なんで船の整備が出来ているかどうかなどということを、さも重大事であるかのように、まじめくさった顔で報道するのだろう。北朝鮮の船が整備不良であるかどうかなどということはどうでもいいのであって、何が日本に持ち込まれて、何が持ち出されているかこそ、みんなの関心事であるはずだ。一番知りたいことには何も触れず、ひたすらお役所のスポークスマンを勤める、NHKの真骨頂というところであろうか。
 昨夜、国会議事堂に雷が落ちたのは面白い出来事である。ぼくがこのニュースでいちばん知りたいことは、国会議事堂ともあろうものが、避雷針を設置していなかったのだろうか、ということだ。設置していなかったとしたら、それはなぜか。設置していたとしたら、それにもかかわらず建物に被害があったのはなぜか。そこが一番の関心事なのに、NHKさんは、これぞ特ダネといわんばかりに、落雷の瞬間の映像を流すばかりで、知りたいことを何も教えてくれなかった。
 今夜のことではないし、NHKだけではない新聞もそうだが、地震が起きたとき、走行中の新幹線がどうなったかを詳しく報道をしてくれるメディアはどこもない。新幹線のどこそこ間が不通だというだけである。きちんと自動停止装置が働いたのか、それとも運転士が止めたのか、地震発生後、列車は何メートルくらい走行したのか、そういうことが知りたいのだが、記者さんたちは事故が起こらないと、そういうことには興味を持たないらしい。
 かくして、テレビは見ない、新聞もつまらない、週刊誌は広告見出しで充分、ということになっていくわけである。